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実例Q&A

生前贈与を無効と主張するためには【Q&A №301】

2013年7月18日


 

実の父が3年前に亡くなりました。義理の母が父の意思とは反して生前分与をしました。

実父は2年入院してその間に書かせたものと思われます。

法律では全て財産を受け取ることを禁止していると聞いたのですが私の財産を主張することは出来ますか?

もし生前分与の字が父のものでなければそれは無効に出来ますか?

記載内容  生前贈与 遺留分 自筆

(情けない儀母)


【生前贈与が無効となる可能性があります】

お父さんの意思に反して、預金の引き出し・不動産の登記名義移転等の生前贈与行為を義理のお母さんが勝手に行なっていた場合、そのような行為は無効です。

【問題はお父さんの意思に反していたという証明ができるかどうか】

ただ、問題はその証明ができるかどうかという点です。

生前贈与の形をとっている場合、これを無効と主張するには次の方法があります。

① 意思能力がない場合

お父さんが、生前贈与当時、たとえば医師の指示を全く理解できない、見舞いに来た家族が誰かわからないなどの症状があり、認識・判断能力を有しなかった場合には、意思能力がなく、その行為は無効です。

この点の証明としては、病院のカルテ等が役に立つでしょう。

(なお、質問の中に《法律では全て財産を受け取ることを禁止している》との記載がありますが、これは意思能力がない場合には、財産の贈与等の行為をすることができないという意味でしょう。)

② 意思能力があった場合

質問にも「書かせた」と記載されているように、贈与の際に書面が作られていれば、その筆跡を調べる必要があります。

また、たとえば預金の引き出しされている場合には、その払い戻し請求書の筆跡を確認し、お父さんの筆跡ではないという証明をする必要があるでしょう。

裁判所としては、筆跡だけではなく、贈与があった当時の諸般の事情を検討しますが、筆跡が違うということは贈与無効を証明するためのきわめて重要な証拠になるでしょう。

【生前贈与が有効な場合には遺留分請求ができるが・・】

お父さんの意思に反するとまでは言えず、贈与が無効とは判断できない場合もあるでしょう。

なお、参考までにいうと、そのような場合には、相続人である子には、父親の遺産に対しては遺留分という最低限度の持分が残されており、贈与された財産の中から遺留分を侵害された限度で遺産を取り戻す権利を有します(遺留分減殺請求権と言います)。

遺留分減殺をすると、子の場合には法定相続分の2分の1が返還請求できます(なお、計算例としては当ブログQ&A №177・Q&A №272などもご参照ください)。

ただ、この減殺請求は生前贈与があったこと(正確にいうと遺留分を侵害されたこと)を知って、1年以内にする必要があります。

本件では3年前にお父さんが死亡されているので、減殺請求ができる時期を過ぎている可能性もあります。

生前贈与の無効を主張するとともに、万一に備え、遺留分減殺請求ができるかどうか、早急に弁護士と相談されるといいでしょう。

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