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実例Q&A

生命保険 故人 父親が他界【Q&A №598】

2018年2月7日



【質問の要旨】

母が受取人となっている父の生命保険を貰う権利はあるのか?

【ご質問内容】

父親が他界しました。

生命保険 受け取り人 母親ですが、 これは、財産分与。

私にも 貰える権利ありませんか?

(e.gaku)

 ※敬称略とさせていただきます

 

 

【原則として、生命保険金は遺産分割の対象ではない】
 
保険金受取人として特定の相続人を指定した場合、生命保険金は遺産分割の対象の財産にならないとするのが裁判所の判例です(Q&A №298参照)。
 
その理由は、生命保険金の支払いは、生命保険契約に基づいて支払われるものであり、被保険者の死亡と同時に指定された相続人の財産になるという性格を持っており、そのため、相続財産にはならないと考えられているからです。
 
したがって、生命保険金の受取人が母になっていた場合には、保険金は母が単独で取得し、あなたがもらう権利はないですし、又、相続財産の中にも入らず、遺産分割の対象になりません。

【但し、著しい不公平な事情があれば、相続財産として扱われることもある】
 
ただ、遺産総額と対比した場合、保険金を受け取る相続人と他の相続人間で著しく不公平となるような場合があります。

そのような場合には、特段の事情があるとして、例外的に生命保険を遺産の中に入れて遺産分割をすることになります。

つまり、その相続人が受け取った保険金が特別受益に当たるとして遺産分割時に考慮するということです(遺産分割の対象になるというわけではないのでご注意ください)。

この特段の事情としては、

① 保険金額と遺産総額とを比較して、生命保険金の金額があまりに多額である。

② 保険金の受取人が多額の保険金を受けるべき理由(同居していたか、介護等の貢献をしたかなど)がない。
というようなことが考えられます。

【著しく不公平かどうかの基準】

過去の裁判例では、遺産総額が約8423万円で、生命保険金額が約5150万円で、生命保険金の遺産総額に対する割合(5150万円÷8423万円)が約61%になるケースでは、特別受益に当たることを認めた高等裁判所の決定があります。

なお、単なる生命保険の割合だけで特段の事情の有無が判断されるのではなく、婚姻期間や同居の有無、介護等の貢献をしたかという事情も考慮して判断されますので、この点も注意が必要です。

【今回の質問の場合】

本件では、生命保険金の受取人は母(被相続人の妻)ということですので、遺産総額と比較して生命保険額があまりに多額であり、かつ、父母の婚姻期間が短いとか、あなたが父と同居して介護をしてきたというような特段の事情があれば、生命保険金を相続財産にいれることもありえます。

それらの点を考慮して、判断されるといいでしょう。

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