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実例Q&A

資産家の叔母の公正証書遺言【Q&A №489】

2016年2月3日


【質問の要旨】

公正証書遺言が有効かどうか

記載内容  相続人 同席 カルテ

【ご質問内容】

都内主要駅から徒歩1分の所に住む叔母が、H25に85歳で亡くなりました。

叔母は後妻に入り(前妻病死 前妻の子とは養子縁組なし 実子なし ご主人も父母も亡くなっています)ご主人と工場を経営し、不動産、預貯金等、多額の財産を残しています。

相続人AとBが財産に目をつけ叔母を奪い合い、Aが入居させた老人ホームからBがさらって行った時は警察を呼び、又Aが叔母の取引銀行へ行ってBが財産を狙っているから、お金を下さないで欲しいと話し、聞きつけたBが叔母を窓口まで連れて行き、そんな事はないと言ってのけた強者と、Aから聞きました。

H22にBに全てを相続させる、H25にAに全てを相続させる(こちらは公正証書)全く内容が違い、自分1人に有利に書かせたと疑う私を、Aの弁護士を通して話せと突っぱねます。

H24には、叔母が気力も体力も無くなったとAが話していて遺言を書く頃は相当弱っていたのではと思って診断書などを取り寄せたいのですが、BがAの悪口を病院に触れ回っていて私も不審がられると思い取得できず大変困っています。

以前の電話でAは、他の相続人に言われたら火が噴いて大変だ!証書を作るとき保佐人が、相続人はA1人だから他に言わなくて良いと言われたとパニックでした。
相続人がその場にいて良いのでしょうか。

この事を息子に相談したメールは証拠になりますか?

よく眠れず、苦しいです。

先生、助けて下さい。よろしくお願いいたします。

(晴れたい子さん)


【同席だけでは無効とはならない】

叔母さんの生前から激しい争いがあり、別々の異なる内容の遺言が作られるなど、根深い紛争がうかがわれる案件です。

お互いが疑心暗鬼となり、相続人Aさんが叔母さんに対して、「自分に遺産を渡す遺言を作れ」などと圧力を加えて有利な遺言を作らせたと疑いたくなるのも理解できます。

しかし、公証人は遺言者である叔母さんの意思を確認しているはずであり、その場で脅迫や詐欺まがいのことが行われたことはまずないと考えていいでしょう。

なお、公正証書遺言を作成の際、通常、公証人は同席する人がいれば誰かを確認し、親族や利害関係人であれば席を外すように指示しますが、これは遺言者の真意を確認するためです。

その場に、Aさんがいたことで、叔母さんが《無言の圧力》を感じたという可能性がないわけではありませんが、それだけでは遺言が無効ということまでは言えないでしょう。

なお、同席の件を相談したメールについても、単に「Aも同席した」というだけのメールであれば、それだけで遺言を無効とする証拠とまでは言えないと思われます。

【代理人を通してカルテ開示を求める】

カルテの取り寄せについては、叔母さんの法定相続人(例えばAさん)なら取り寄せが可能のはずです。

Bが悪口等を言ったことで病院にカルテを請求しにくいというのもおかしいことだとは思いますが、病院が出さないというのであれば、弁護士に事件を委任して、その弁護士から弁護士会照会等の方法で取り寄せの手配をしてもらえば、病院としては拒む理由はありません。

いずれにせよ、本件のような案件は弁護士に依頼せずに解決するのはむずかしい案件ですので、早期に相続事件に詳しい弁護士に相談・依頼されるのがいいでしょう。

 

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