今回両親の死別により兄弟での相続が発生したところ 妹から兄は大学に入れてもらっているから相続分から引くといわれました
私は1年私立理系大学に入りその後国立系短大3年間入り、アパート代も出してもらいました
総額700万くらい掛かったこととなるのですが 特別受益にあたるのでしょうか?
教えてください
よろしくお願いいたします。
【判断の基準】
特別受益でよく問題になるのは、結納金、結婚後の住宅資金、そして本件のような大学の学資などです。
ただ、生前に親から受けた援助(贈与)がすべて特別受益になるわけではありません。
あくまでその親の資産、収入、家庭状況に照らして、相続財産の前渡しと評価できるほど、特別のものと言えるかどうかを、具体的な事案に即して判断するということになります。
【本件の場合は・・】
大学の授業料及びアパート代として700万円ほどを出してもらったということですが、現在、かなり多くの人が大学に進学しており、大学に行くこと自体は「特別」なことではありません。
又、金額も1ケ月にすれば約14万5000円程度で、それほど高額ともいえません。
そのため、あなたとしては、この程度は特別なものではなく、親が子供を扶養する通常の範囲内であると主張すればいいでしょう。
但し、大学に行った当時は家の収入が極めてすくなかったのに無理して大学に行かせてもらった、遺産の総額はかなり少ない、妹が中学しかでていないというような場合には、家族の中であなたが大学に行くことは「特別」な利益を与えられたのだとして特別受益とされる可能性もありそうです。
☆ワンポイントアドバイス☆
特別受益について話合いがまとまらなければ、家庭裁判所の遺産分割調停の申し立てということになります。
ただ、700万円の特別受益だけが問題であれば、互いに納得できるまで話し合って、適当な折り合い点を見つけることが望ましいでしょう。
解決の方法としては、700万円の全額が特別受益になるかどうかという観点だけではなく、例えば半額の350万円だけ特別受益扱いをするというような方法も考えられたらどうでしょうか。