土地の名義が20年前に亡くなった父のままです。
そこで、この土地を遺産分割協議書の作成をしようと思っております。
家族構成は、母と私と妹そして弟の4人です。妹と弟は独立し、私と母は、この土地で暮らしております。
上記の者の相続人全員は、被相続人の遺産について協議を行った結果、次の通り分割することに同意した
1.母は全ての遺産を取得する。但し母の死亡後下記の通り相続人に分割する。
2.相続人長男は次の遺産を取得する。 土地の1/2 3.相続人次男は次の遺産を取得する。 土地の1/2>/p>
と、このような遺産分割協議書は法的抗力は、ありますか?
(上記の1.2.3.と続けて書いても、遺産分割協議書は法的抗力は、ありますか?)
住所、氏名を自筆で書き、実印を押印します。
【現実の相続についてするのが遺産分割協議】
質問の遺産分割協議書では、
① 母が、被相続人である父の遺産である土地を単独取得する。
② 母の死後の遺産の分割方法を定める。
という2つのことが記載されることになります。
遺産分割協議はあくまで現実に発生した相続についての分割を協議するものです。
①だけの遺産分割協議であれば、法的に問題はなく、有効です。
ただ、②については、母が将来、死亡した時の遺産の分割についての合意ですが、現実には相続が発生していないのですから、これは遺産分割協議としては無効です。
なお、将来の遺産分割である②を前提(あるいは条件)として、①の合意をしたというのであれば、全体として遺産分割協議は無効になる可能性があります。
【いろんな選択肢とその欠点】
被相続人である母が元気なときに、母も交えて(ということは、母の意見も参考にして)、将来の遺産分割の内容を決定することができれば、将来の相続争いを予防できますし、財産移動はまだしていない(移動は将来の相続のときになる)ので、贈与税や相続税を今、支払う必要もないでしょう。
しかし、残念ながら、そのような遺産分割協議はできません。考えられる選択肢とその短所をあげておきましょう。
① 母が単独で相続した上で、その後、兄弟に生前贈与する(但し、贈与税の問題がでてくる)。
② 母が単独で相続せずに、兄弟が単独相続する(但し、配偶者控除が利用できないため、相続税が多くなる)。
③ 母に遺言書を書いてもらう(但し、遺言書は書き換えが可能ですし、場合によれば遺留分減殺の問題が生じる)。
結局、どの選択肢も長所、短所がありますので、それらの点を考慮して、いずれかの方法を選択するしかないというのが結論です。