母が突然倒れ亡くなりました。
ICUに入っていたため、医療費が高くなりました。
入院の際に病院代の連帯保証人になったので支払い義務はあります。高額療養費で何とかなると思っていましたが、母に負債があることがわかり相続放棄することになりました。
放棄をすると高額療養費は受け取れないこと。受け取ってしまうと相続放棄は認められないと言われています。
限度額認定証が使えることがわかったのですがこの制度を使っても相続放棄になるのでしょうか。
【被保険者や所帯主が誰かによって結論が変わります】
高額療養費の支給権者は、被保険者(健康保険の場合)ないし世帯主(国民健康保険の場合)であった方です。
あなたが所帯主や被保険者であった場合、あなたが請求権を有していますので、高額医療の支給を受ける権利は遺産にはなりません。
そのため、支給を受けても相続放棄はできますし、相続放棄をしても支給を受けることができます。
しかし、母が健康保険法上の被保険者(あるいは世帯主)となっていた場合には、支給を受ける権利は母のものであり、遺産になります。
このため、相続放棄すれば高額療養費ももらえないことになります。
【入院費用はあなた自身の債務です】
今回の医療費については、母が主債務を、又、あなたが連帯保証債務を負います。
そのため、相続放棄をしても、未払い分がある限り、あなたは、結局は病院に対し支払う義務があります。
このため、相続放棄するかどうかとは別に、入院費用の支払い及び高額療養費の支給申請を検討する必要があるでしょう。
【限度額認定証を使っても変わりません】
限度額認定証は、給付を支払時に受けるか、支払後に還付してもらうか、という受給手続に影響があるだけのものですので、使っても使わなくても、相続放棄の可否には関係ないと思われます。
明確な通達や判例があるわけではありませんが、一度役所や病院にご確認されることをお勧めします。
なお、母の財産を使って入院費用を支払ったりすると、相続放棄ができなくなることがありますので、ご注意下さい。