50年ぐらい前のことなんですが、祖父が他人から土地を購入し、自分の弟に登記変更の登録を頼んだところ、弟は勝手に自分の名前で登録をし、登記簿を見せるように言うが、「なくした」といい、見せてくれなかったと話していました。
その祖父も他界し、今は弟の息子がそこに家を建てています。
この場合、土地は返してもらえるのですか?
この話は身内みんなが知っています。
【祖父の持っている権利は相続される】
祖父が土地を買ったのに、その弟が勝手に自分の名義にしていたのであれば、祖父は土地の所有権を持っていることになるので、祖父はその弟に土地名義の返還を求めることができます。
祖父が死んだ場合、この土地の所有権及びこの土地の名義の返還を求める権利は、祖父の相続で承継され、その相続人が返還請求することができます。
【問題は証明できるかどうか・・】
しかし、祖父はどうして、50年間も弟の名義にしていたのだろうかという疑問があります。
登記簿を見せるように言っても、弟が見せなかったというのですが、登記簿は法務局に行けば誰でも見ることができるものですので、登記名義が弟というのを知らなかったという主張を続けることも難しい話でしょう。
したがって、祖父が本当に売買したのだという点をしっかりと証明する証拠が必要でしょう。
【時効の主張が出てくる可能性がある】
仮に祖父が売買をしたのであり、その弟が勝手に名義移転をしたのだということが証明できても、弟から《時効で土地を取得したのだ》という主張が出てくる可能性があります。
名義が弟であり、土地の使用を50年も続けた、おそらく土地の固定資産税も弟側が払っていたというのであれば、占有を初めて20年もなれば時効で取得することが可能です。
また、このことは弟の息子についてもあてはまります。
特に息子の場合は、土地の使用を開始してから10年で時効によって土地の所有権を取得する可能性があります。
【今すぐに弁護士に相談をしましょう】
相手方は家まで建てているのですから、話し合いで円満に名義を返してくれることは考えにくいでしょう。
名義を勝手に変えたという話は、《身内のみんなが知っています」ということですので、早い段階でその人たちに事情を聞き、また、裏付け証拠も集めておく必要があるでしょう。
さらに、時効を主張させないためにどのような証拠が必要なのかも、考えておく必要もあります。
今後、どのように対処するのか、お近くの弁護士に相談されるといいでしょう。
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