おととし亡くなった父は長男でしたが、実家の家業(建設業)は長年祖父母と一緒に事業を手伝った次男である弟(叔父)が継いでいます。
祖父が亡くなった後、兄姉に黙って86歳の祖母を公証人役場へ連れて行き不動産の全てを次男である叔父に譲ると遺言を書かせ、実家の工務店の土地建物を譲りうけすんでいます。実家が市に売却した時のお金(1億5千万)のことをきくと「全部借金を返したからもうない」との一点張り。
長年、工務店に運転資金を貸したり、連帯保証人になってきた父は浮かばれないと、父の書いた文書が最近出てきて、長女の私と妹は、叔父から墓守のお金だけでも出すように何とかしたいのです。
お墓は先祖代々の方と父が眠っており、叔父たちは同じ敷地に新しい墓(長男が不慮の事故で死んだ)を作りました。
位牌も私の実家にあり、今後の面倒は結婚して姓は変りましたが、私と妹でみるつもりです。
位牌とお墓をみていく費用をもらう、いい案があれば教えていただきたいのです。あと10日ほどで亡き父の三年祭があり、その時に叔父に問いただしたいのです。
叔父の不正(祖母が亡くなったときに預金を「勝手に」ひきだしたことをかくしていたこと)を問いただし、父がどんなに無念だったかを、いいたいのです。
【叔父が祖母を公証役場に連れて行って遺言を書かせたという問題】
祖母の遺言書の内容は叔父の意向が大きく影響しているのかもしれません。
しかし、祖母が最終的に遺言内容を了解したのなら遺言は無効ではありません。
【質問者の立場・・代襲相続人か、相続人か】
父が祖母より先に亡くなった場合、父の子供(質問されているあなたとその妹)が父に替わって相続人になります(これを代襲相続といいます)。
もし、祖母が先に亡くなられているのであれば、父が相続人となり、その後、父が亡くなれば、あなたと妹が相続人になります。
【遺言書の内容は不動産に関する記載だけなのか?】
遺言は全不動産を叔父に譲る(相続させる)というのですから、遺産の中に現金や預貯金、株式等があれば、父かあなたが法定相続分で相続できます。
ただ、叔父の話では、既に財産がないと言っているようですが、過去の不動産の売却代金をどのように使ったのかを確認し、叔父が勝手に使ったのなら返還を求めることも可能です。
又、お祖母さんの死亡時点では預貯金がなくとも、それ以前に叔父さんが勝手に引き出したのであれば、返還を求めることも可能です。
是非、祖母の預貯金口座の取引履歴を調査されることをお勧めします。
【遺留分の請求もできます】
仮に預貯金など、不動産以外の財産が全くなかった場合でも、遺留分を請求することができます。
遺言では財産が全くもらえないような場合でも、あなたのような法定相続人に遺産を分け与えようというのが遺留分という制度です。
但し、この遺留分は、遺言書の内容を知ってから1年以内に請求する(これを遺留分の減殺(げんさい)請求と言います)必要があります。
祖母の子があなたの父と伯母と叔父の3人兄妹の場合、あなたと妹の遺留分は合計で、叔父にいった全不動産の6分の1も請求できますので、位牌とお墓を見ていくための費用としては十分でしょう。
【一刻も早く弁護士に相談しましょう】
祖母の遺言書の内容を知ってからどの程度の期間が経過しているか明らかではありませんが、ともかく一刻も早く、弁護士に法律相談し、遺留分減殺請求や預貯金等の調査等の必要な手配をしてもらうことをお勧めします。