法定相続人のうち、65歳の長姉が生活保護受給者です。
自堕落でギャンブル好きで、兄弟にも借金取りから脅しがあったり、実際肩代わりしたりした事もありました。
縁を切って音信不通だったのですが、役所から「生活保護の申請があったので扶養してください」というような通知が来て、住んでいる自治体がわかり、皆扶養を断ってそれで済みました。
「遺産は要らないが長姉と関わり合いになりたくないので、失踪扱いとかで勝手に手続きできないか、先ず弁護士等に相続した方が良い」という相続人もいます。
それは無理ですよね?
長姉が相続して、借金を返しても残れば、生活保護が切れて、使い果たしてまた生活保護を申請したら、再度扶養義務を問われると思います。
生活費ぐらいは出せるとしても、自分たちも老いていき、医療費とか介護とかそういう事まで面倒みきれません。
相続する人数によって長姉の相続額は1千万~3千万円程度になります。
平均寿命までだと足りません。
相続放棄してなるべく関わらない者が賢明なのか、浪費させない為、皆で相続してなるべく渡さなでおいた方が良いのか、責任を負わないで、火の粉がかからず、世間にも迷惑かけずに生活してもらうにはどうすれば良いでしょうか?
行政に財産を管理してもらえれば理想的なのですが、遺産の供託とか、ギャンブル依存症で成年後見人を選任してもらうとか、何か方法があるでしょうか?
【失踪宣告はできない】
「失踪扱い」というのは、おそらく家庭裁判所の失踪宣告のことだと思います。
失踪宣告がでれば死亡したとみなされますが、そのためには長年にわたり生死が明らかでないことが必要です。
本件の長姉の方のように生きていることがはっきりした人の場合は利用できません。
【遺産の供託等の方法もとれない】
遺産の供託という制度はありませんし、行政に財産を管理してもらう制度もありません。
又、他人に財産管理をしてもらうにしても、「ギャンブル依存症」というだけでは、成年後見人を選任することもできませんし、補佐人や補助人という制度の利用も難しいでしょう。
【相続放棄をするのも役にたたないでしょう】
もし、長姉との係わりを避けるために、相談者やその他の相続人が相続放棄をすれば、遺産分割協議に参加する必要はなくなります。
しかし、単独で財産を相続した長姉が、いずれ財産を浪費するように思われ、やはり、あなた方また、行政から扶養義務の関係での連絡があるでしょう。
結局、相続放棄をしてもしなくとも、関わりを避けることはできないので、相続放棄をする意味はないでしょう。
【結局どうすればいいのか・・】
兄弟姉妹である限り、扶養義務の関係で関わりをもつということはどうしようもありません。兄弟姉妹という縁は切れないのですから。
ただ、借金をしてまで扶養する必要はないので、その旨申し出て、長姉には、生活保護などを受けて生活してもらうしかないでしょう。