両親とも他界、私には、精神疾患のある無職の兄が一人おります。
ただ今、私と兄、それと4人の叔母で遺産分割調停をすすめております。
父親死亡時に父名義の口座を兄に名義変更して数年が経ちます。
内容は祖父名義の土地、建物、それと上記の兄名義の口座です。
教えて頂きたいのは、兄名義の口座が遺産目録の中にあるのが、納得いかないのです。
私はこれはもう遺産ではなく、兄の財産ではないかとおもいます。
でも叔母たちは、亡くなった父の名義にしておけないから、私の兄の名義を借りているだけ、実質的にはこの家の共同財産だから、自分たちにも、相続する権利があると主
張してきます。
祖父の他界時であれば、兄名義の口座があっても叔母たちの主張が分からなくもないですが、名義はすでに、祖父から父へ父から兄へと変更され、数年が経っています。
遺産目録に含まれますか?
ご教示ください。
【名義ではなく、誰が預金をしたのかが重要】
被相続人であった祖父の預金口座が父に名義変更され、その後、兄に名義変更されたのだが、この預金は誰のものかという質問です。
預金名義が最近では本人確認が厳しくなったため少なくなりましたが、従前にはご相談のような借名預金がよくあり、裁判で誰のものかが問題となりました。
借名預金が誰のものかについてはいろんな考え方がありますが、一般的には、当該預金のお金を誰が預け入れたのかという基準で判断されます。
もともとは祖父が預金し、それを父名義から兄名義に変更された場合でも、もともとのお金を祖父が預け入れたのであれば、それは祖父の預金と理解し、祖父の遺産とするべきでしょう。
質問だけからは詳しい事情がわかりませんが、いずれにせよ、父の預金であったものが、名義変更して数年経てば、兄の預金に変わるということはありません。
【どうして名義変更したのか・・】
預金名義が祖父から父に名義変更されたのはどうしてでしょうか?
祖父が父に、その預金を生前贈与したと理解できる可能性があれば、特別受益の問題となります。
特別受益については過去の回答を、ご参照ください( 参考カテゴリ:「生前贈与(特別受益)」 )。