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実例Q&A

母名義の家屋を母の相続発生時に自分の単独名義にしたい【Q&A №709】

2020年11月11日

【質問の要旨】

・父と兄が亡くなった

・父と兄の共有名義の実家の家屋は、兄の子供が相続放棄をしたので

 遺産相続手続きをして母親名義にした

・母が亡くなり相談者が相続する時にも、兄の子供は相続放棄の手続きが必要となるか?

 

 

【回答の要旨】

・亡兄の子供達に相続放棄の手続きをしてもらう必要がある

・亡兄の子供達と遺産分割協議をして解決する方法もある

・母に遺言書を書いてもらう

【ご質問内容】

父と兄が亡くなり、この度、父と兄の共有名義であった実家の家屋を遺産相続の手続きをして、母親名義にしました。

亡くなった兄には別れた配偶者との間に3人の子供がいるのですが、その子供達は裁判所に相続放棄の手続きをしたようなので、裁判所から相続放棄申述書を取り寄せ、私は分割をして母親名義にしました。

教えていただきたいのですが、母親が亡くなって私が相続する時にも、亡くなった兄の子供達から、もう一度、相続放棄の手続きをしてもらわなければいけないのでしょうか。

 (ニッキー)


 ※敬称略とさせていただきます。

 

【亡兄の子供達に相続放棄の手続きをしてもらう必要がある】

 父と母の相続は別なので、母の相続が発生した際には別途、母の相続に関する相続手続きが必要となります。

そして、母の相続が発生した際、あなたは母の相続人となり、亡兄の子3人も母の代襲相続人として、それぞれ法定相続分が発生し、それぞれ法定相続分に従って母名義の家屋を相続する権利があります。

そのため、母名義の家屋をあなたの単独名義にするためには、亡兄の子供達に相続放棄をしてもらうか、若しくは下記のとおり、遺産分割協議で母名義の家屋をあなたの単独名義にすることについて、相続人全員に同意してもらう必要があります。

 

 また、相続放棄は、亡兄の子3人が母が亡くなったことを知ってから3カ月以内に家庭裁判所での手続きする必要がありますので、話し合いが長引く場合は、相続放棄の伸長申立てをし、さらに熟慮期間を延長してもらうことも可能です。

 

【亡兄の子供達と遺産分割協議をして解決する方法もある】

亡兄の子3人が相続放棄をしてくれない場合であっても、相続人全員で遺産分割協議をして、相続人全員が母名義の家屋をあなたの単独名義とすることに同意して、その旨の遺産分割協議書を作成すれば、家屋をあなたの単独名義にできます。

なお、遺産分割協議には期限は定められておらず、母が亡くなった後であればいつでも行うことができます。

 

もっとも、母のめぼしい財産が家屋しかない場合は、亡兄の子3人の法定相続分がありますので、法定相続分に従い、代償金の支払いを亡兄の子らに求められる可能性があります。

 

【母に遺言書を書いてもらう】

あなたが、母名義の家屋を絶対にあなたの単独名義にしたい場合は、母が重度の認知症などではなく意思能力がある状態なのであれば、今のうちに遺言書で家屋をあなたに相続させる旨の遺言書を書いてもらうという方法があります。

もっとも、母のめぼしい財産が家屋しかなく亡兄の子3人の遺留分を侵害する場合は、亡兄の子3人から遺留分(各12分の1)を請求される可能性があります。

(弁護士 石尾理恵)

 

 

 

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