私は相続人の一人です。
他の相続人が、金融機関を相手に訴訟を起こして、預金を手に入れようとしています。
私も弁護士に依頼して訴訟に参加しなければ、預金を受け取れないのでしょうか?
記載内容 金融機関に対する裁判
【ご質問内容詳細】
初めてまして。
父が亡くなりゆうちょ銀行に父の預金があります。
母と弟そして私が相続人ですが相続金の分配が決まり相手方(母と弟)から当事者参加申出書が届きました。
相手方は弁護士に依頼しゆうちょ銀行を訴えるという恰好で相続金を手に入れようとしています。
やはり私も弁護士に依頼しなければ相続金を受け取れないのでしょうか?
独自で依頼して受け取れる方法はないのでしょうか?ほったらかしにしたらどうなるのでしょうか?
教示お願い致します。
【通常の場合の預貯金の分配手続き】
遺産の中に預貯金がある場合、その支払いを受けるためには、通常の場合、
①法定相続人が誰かがわかる被相続人が出生以降の除籍や戸籍謄本を提出する。
②各金融機関の定める相続人代表者選定届けを出す(各相続人の実印を押捺し、かつ印鑑証明書の添付が必要です)。
ことが必要です。
この場合にはその代表相続人に指定された人が代表で預貯金の払い戻しを受け、他の相続人に渡すということになります。
(ただ、この手続きは金融機関により異なりますので、予め、どのような手続きが必要かを当該金融機関に確認しておく必要があります)
【相続人が預貯金の分配のための訴訟を起こす理由】
遺産に預貯金があった場合、各相続人がその法定相続分に応じた預貯金額を相続で取得します。
しかし、相続人の意見が一致せず、代表相続人が決定できない場合、自分の法定相続分に応じた預貯金を払ってほしいと金融機関に申し出をしても、金融機関がこれに応じることは少ないです(金融機関の中には他の相続人に支払っていいかどうかの質問状を出し、他の相続人が同意する場合には支払ってくれるところもありますが)。
金融機関としては、例えば《ある特定の人に預貯金を相続させる》などという遺言状があった場合、その相続人から抗議をうけることも想定しておく必要があります。
そのため、金融機関は、各相続人に裁判をしてもらい、裁判所の判決を出してもらえば何の心配もなく支払いができるようになります。
これが金融機関が裁判を求める理由です。
なお、金融機関としては裁判があったことを他の相続人に知らせる手続きをとっていますが、これはその裁判での請求に異議がある人は申し出てくださいということを知たせるためです。
【あなたのとるべき対応】
訴状のコピーなどがあなたに送付されていると思います。
あなたとしてはその内容を確認する必要があります。
今回は当事者参加の申し出書という書面が来たようです。
これは請求しているお母さんや弟さんがそのような書面送付手続をしたのか、あるいは金融機関がしたのかわかりませんが、訴訟で請求されている内容に異論がないようなら、訴訟に参加するためにあなたご自身で裁判所に出頭し、異論がないことを主張されるといいでしょう。
そうすれば、裁判所としては請求の内容に従って、金融機関にお母さんと弟さんに対する支払いを命じるだけではなく、あなたの分についても支払いを命じるようにする手配をするか、和解で支払いをしてくれるような手続きをしてくれるでしょう。
なお、請求に異論があれば早急に弁護士に相談された方が良いでしょう。