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実例Q&A

相続放棄について【Q&A №9】 0009

2009年9月9日

 

 

今回、私(長女)の両親と二世帯住宅をたて、私の家族と私の両親で同居することになりました(両親の今後の老後の介護もするという条件で)。

私の父名義の土地に二世帯住宅をたてたのですが、土地の相続は私がうけることになり、妹には土地の相続放棄をしてもらう予定です。

そこで相続放棄をしてもらった場合は放棄してもらった人に対して、一般的には代償金を支払うことになると思うのですが、必ず支払わなければならないのでしょうか?

また、必ず支払わなければならない場合はどのくらいの割合の金額を支払うべきなのでしょうか?

 

(えりたん)

 

 

【相続の放棄の意味は・・】

「相続放棄」とは、被相続人が死亡した後に、家庭裁判所に「相続しません」と申し出る手続きのことです。相続放棄をした場合、その人は相続人ではなくなります。

これと似た制度に「遺産の代償分割」という制度があります。

これは、相続人が他の相続人よりも多くの財産を相続した場合に、金銭によってその差額を調整する制度です。

妹が相続放棄をした場合、妹は相続人ではなくなります。これは「遺産は一切いらない」ということを意味するので、あなたが代償金を支払う必要はありません。

妹が遺産の代償分割を要求する場合、妹が相続人であることに変りありません。

この場合には話し合いで、財産分け(遺産分割協議といいます)をします。

もし、妹のもらう財産額よりもあなたのもらう土地の価値の方が大きい場合には、妹が要求すれば、その差額を調節するために代償金を支払う必要がある場合もあります。

【代償金はいくらか?】

ご相談のような、あなたと妹と母の3人が相続人の場合では、妹の相続分は法律で遺産総額の4分の1(25%)とされています。

そのため、遺産が土地だけであり、それをあなたが全部相続するというのであれば、妹がもらえるはずであった相続分(土地の4分の1)に相当する金銭の支払いが必要となる場合もあります(参考までに言えば、土地の価額は税務署が決める路線価で算定することが多いです)。

ただ、あなたとしては、「父の面倒を見たのだから、その分、介護費用等の支払いが少なくなった。」(これを特別寄与といいます)、あるいは、「残された母の面倒を見るという負担をするのだから」ということで、妹に支払う代償金を少なくして欲しいと主張することも考えられます。

【最も効果的な方法は遺言暑を作成することです】

土地を単独で相続するための一番よい方法は、父に「土地はあなたに相続させる」という内容の遺言書を作成してもらうことです。

このような遺言がある場合には、妹に代償金を支払う必要はありません。

万一、妹が「私にも遺産を分けて欲しい」といった場合でも、遺産総額の8分の1(12.5%)の代償金の支払いですみます(⇒遺留分減殺請求について)。

☆ワンポイントアドバイス☆

被相続人が生きている間は相続放棄をすることはできません。

そのため父が生きている間は、妹は相続放棄をすることができません。

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