私は足が不自由で、出歩くことができません。
公正証書遺言を作りたいと考えておりますが、病院などではなく、自宅でも公正証書遺言を作ることはできますか?
もし、作れるのであれば、費用はどれくらいかかるものでしょうか?
また、遺言の作成について弁護士さんに依頼すると、どのくらい費用がかかるものでしょうか?
【公証人の出張は可能です】
公証人は、普段は公証役場で仕事をしています。
しかし、公正証書遺言を作る人が高齢である、あるいは脚に障害がかる等の理由で公証人役場に行けない場合には、予め申し出れば公証人に出張してもらうことも可能です。
遺言をする人の自宅でも、入院している病院でも、出張に応じてくれます。
ただ、出張の場合には、後に述べるように通常より高額の費用を支払う必要があります。
遺言書の内容と本人の意思に違いがないか、又、公正証書遺言作成に必要な2名の証人が来られるのかを確認し、何度も公証人に来ていただくことのないように注意が必要です。
【公正証書遺言の作成費用】
公証人役場で作成する遺言の作成手数料は、遺言によって相続させる遺産の総額や遺言を受ける人の数で変わってきます。
おおよその額を知っていただくために、手数料の具体例をあげます。
※遺産を均等に分割した場合の金額例です。
(遺産額) (相続人の数及び遺言内容) (手数料)
5000万円 妻、長男、長女に相続 約8万円
1億円 妻、長男、長女、次女に相続 約11万円
2億円 妻、長男、長女、次女に相続 約14万円
(作成手数料は遺言の内容により異なります。詳しい説明については、公証役場のホームページ をご覧下さい。)
【出張の場合に追加料金】
① 公証人の出張費用として、前記手数料の約5割弱の金額が加算されます。
② 出張実費(交通費)
③ 日当(1日2万円、4時間まで1万円)が加算されます。
【遺言書作成のための弁護士費用】
遺言の内容作成の弁護士費用は、目的物の価額や内容の複雑さによって変動しますが、概ね15万円から20万円程度をお考え下さい。
☆ワンポイントアドバイス☆
遺言書があっても、遺産が相続人の一部にしか相続させないような場合には、遺産をもらえなかった相続人から不満が出ることが多く、結局、相続人間で訴訟が行われることがよくあります。
できれば、弁護士などの専門家に相談して、もめない内容の遺言書の書き方をお聞きになることをお勧めします。
また、遺言書の内容を執行することを弁護士に依頼して、スムーズに遺言書内容を実現することを考えられてもいいでしょう。