50代主婦。
二人姉妹の妹が母が施設に入所する際、生前贈与を母から受けたとして、家、土地を名義変更し売買していた事がわかりました。
母は売られたことは知りません。
また、母が加入していた入院給付つきの保険も解約されていました。
母は再 婚し義理の父が亡くなったあと1人で暮らしており私たちは養子縁組をしていなかったので後継人制度を申し込む事になり、私は署名捺印し郵送しましたが申し込みはされていませんでした。
施設入所も実家のかたずけも一切知らされず、こんな事は許されるのでしょうか?保険の解約は母が具合が悪くなり病院に搬送された時わかりました。
実家は遠方で私たちは東京在住です。
【お母さんに判断能力はあったのかが問題】
お母さんの不動産が妹さん名義になったということですが、その名義変更をした時点で、
① お母さんが本当に贈与をする意思があったのか。
② また、お母さんに正常な判断能力(法的には意思能力といいます)があったかどうか が問題となります。
このうち、①については、お母さんが死亡していれば、《贈与する意思がなかった》という点の証明が困難です。
そのため、②の意思能力のなかったことを証明して、生前贈与が無効であるという主張をするといいでしょう。
意思能力の有無については、介護施設に入所された当時の記録を施設や病院から取り寄せて、判断することになります。
もし、お母さんに意思能力がなかったのであれば、お母さんから妹さんへの名義移転は無効であり、また、第三者への売買も無効になり、その不動産が遺産として戻ってくる可能性があります。
ただ、この意思能力の判断や資料の取り寄せは難しいので、できれば法律の専門家である弁護士に相談されることをお勧めします。
【保険解約について】
保険解約についても、もしお母さんの意思に基づかないか、あるいはお母さんに意思能力がなければ、解約は本来、無効です。
ただ、現実に保険が解約されているのであれば、妹さんが受け取った返戻金があればその半分の返還請求をすることが可能です。
不当利得返還請求あるいは不法行為の返還請求というものですが、弁護士に相談される場合には、この点も相談されるといいでしょう。
【法的な情報提供義務はない】
妹さんとしては、お母さんを施設入所させ、実家の片付けをしたようですが、常識的に、姉であるあなたにこのような事実は知らせるべきことです。
ただ、法的な義務があるかといえば、そこまでの義務はありません。
お母さんが自宅を処分する際に、妹さんに贈与するということを知らせる義務があるかといえば、やはりそのような義務までは法的にはありません。