父親が亡くなり、公正証書による遺言が発見されました。
(相続人は、長男を頭に4名の兄弟姉妹です)
その遺言によりますと、長男を除く3人への相続分を明確にし、それ以外の全ての財産(現金・不動産)を長男1人にとの事でした。
そう言った事情で、相続財産総額も不詳です。
しかし、長男には、その他3人の遺留分を超えた額を相続させるとの内容であることだけは確信しております。
(長男は、即公正証書で父親名義の不動産を自分の名義に登記してしまいました。)
そのような状況において、相続財産総額を調べ、遺留分を超えた分が長男に相続されている遺言内容であった場合、長男に対して遺留分の不足額を請求できるのでしょうか?
相続財産総額が不詳なのですが、弁護士さんに依頼すれば判明するのでしょうかご教示願います。
【遺留分減殺請求は早めに】
父にどんな遺産があったのかを調べた結果、長男の取り分があなたの遺留分を侵害しているなら、遺留分減殺請求ができます。
ただ、遺留分を侵害されたことを知ったときから1年以内に遺留分減殺請求通知をしないと、時効で減殺請求することができなくなります。
そのため、侵害している可能性があると思われなら、遺産の調査途中でも、とりあえず遺留分減殺通知だけでもされるといいでしょう。
なお、この通知が1年以内にされたのかどうかが問題となりますので、通知は内容証明(配達証明付き)郵便でしてください。
【遺産調査について】
弁護士に依頼すれば総遺産額が判明するのか、という質問についての回答は、依頼する弁護士が相続事件に慣れているかどうかにより結果が異なります。
相続事件に慣れている経験豊かな弁護士であれば、すぐにお父さんの名義の不動産や預貯金、保険などを調査する手配をします。
ただ、日本全国の不動産や銀行の調査はできませんので、どこの地域の不動産や金融機関を調べるのか、その絞りこみが重要なポイントになりますので、父がどの金融機関を利用していたのか、又、どこの地域に不動産を持っている可能性があるのかを、あなたから正確に弁護士に伝える必要があります。
次に父が利用していた金融機関の取引履歴(入出金の状況)が明らかになった場合、この入出金のうち、どの分が生前贈与あるいは相続人が取り込んだ分かの判断するについては、弁護士の豊かな経験が必要な場合が多いです。
遺産調査のポイントは、どのように父の遺産を見つけ出すのか、又、金融機関等の生前の引き出した分の中からどれほど的確に生前引き出し分を見つけるかという2点ですので、この点のコツをつかんでいる弁護士に依頼することをお勧めします。
【経験豊かな弁護士をどのように見つけるのか】
なお、経験豊かな弁護士をどのようにして見つけるのかという点も述べておきましょう。
まず、弁護士と法律相談をして、その回答を参考にして、相続事件に慣れているかどうかを判断する必要があります。
一人の弁護士に相談しただけではわからない場合には、複数の弁護士に相談し、その中で最も的確な回答をされた弁護士を選択されることをお勧めします。