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実例Q&A

長男が相続した不動産の賃料を母は受け取ることができるか?【Q&A №296】

2013年7月11日


 
定年退職後に同居を始めた兄夫婦に頼まれて、父が「土地 建物(テナント併設)不動産を全て長男に相続させ、現金預金を妻と長女(私)に残す」という、公正証書遺言書を作成してしまいました。
妻のことが心配になり、その後 自分で 「○○年○月に作成した遺言書にそって、財産を相続させます。ただし、妻の老後のために家賃収入は全て妻に相続させることにします」という自筆遺言書を作成したから、死後に出してほしいと長女の私に預けました。
この後からの自筆遺言書で、不動産が長男名義になった後に、法定果実の賃料を、母はどうしたら 受け取ることができますか?
よろしくお願いします。

記載内容  賃料 遺言 管理費用 検認

(なつ)



【相続が開始すればまず、検認を】

先に公正証書遺言があっても、その後に自筆遺言があった場合、後の自筆遺言が優先します。
ただ、自筆遺言の場合、家庭裁判所の検認という手続をする必要がありますので、相続が開始した場合には早急に遺言検認の手配をしましょう。

【履行しなければ、負担付遺贈の取り消しを請求する】
検認が終了したら、賃料はお母さんに渡すようにお兄さんに申し入れる必要があります。
それでも、お兄さんが賃料をくれない場合には、相当期間を定めてお兄さんに履行を催告する書面を送付する必要があります。
それでもなお、お兄さんが履行しない場合には、家庭裁判所にお兄さんへの負担付遺贈の遺言を取り消してもらう手続きをすることができます。

【調停などにもつれ込む可能性が高い】
お父さんの遺言によりますと、長男の方は賃料は受け取れないにもかかわらず、テナントの賃貸に要する管理費用や固定資産税の支払いなど、賃貸人や不動産所有者として負担を余儀なくされそうです。
長男としては納得できないと言い出す可能性が高いと思われます。
これらの点を考慮すると、長男の方が簡単に賃料をお母さんに支払わない可能性もあります。
本件については、遺言の検認手続きから始まり、現実の支払いまでに様々な動きがあるように思いますので、できれば早期に法律の専門家である弁護士に相談し、場合によれば委任することをお勧めします。

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