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実例Q&A

相続人名義の通帳が遺産分割対象であることを主張したい【Q&A №641】

2019年3月7日

 


【質問の要旨】

他人名義の投信が遺産であると立証する方法

記載内容  投資信託 名義 管理 

【ご質問内容】

現在遺産分割の話し合い中です。

銀行口座Aは相続人1の名義ですが、実際には被相続人が管理し被相続人自身の金銭を振り込んで投資信託を運用していました。

相続人1は上記を否定し自身が管理していたと主張しています。また相続人1は被相続人の家から口座Aの最新の通帳を持ち出してしまいました。

被相続人の家には口座Aの通帳のうち繰越済みのものが残されていますが、被相続人の筆跡で書き込みがありました。

口座Aは被相続人が運用していたもので、預金や投資信託利益が相続対象であると考えましたが、この主張は可能でしょうか?

また、上記主張をするのに

・被相続人の家で保管している

・被相続人の筆跡で多くの書き込みがある

・投資信託購入の履歴がある

だけで足りるでしょうか?必要なものがわかれば教えていただきたいです。

よろしくお願い致します。

641

(アメリカンショートヘア)

 ※敬称略とさせていただきます。


【遺産と言いたい場合、誰が何を証明するのか?】

相続人名義の投資信託していた場合、被相続人の遺産だと主張するためにはどのようにすればいいのかという質問です。

相続人名義ですが、それは被相続人の遺産だというのであれば、その点は、遺産だと主張する人が証明する必要があります。

【どのような事実を証明する必要があるのか?】

裁判では投資信託にかかわるあらゆる事情(諸般の事情)が考慮されますが、特に重視されるのは次の2点です。

① その投資信託の購入資金は誰が出したのか、また、その解約して払い戻しした金銭は誰が取得したのか?

② その投資信託の管理運営(買付、売却の指示)は誰がしていたのか。

上記①を証明するためには被相続人の口座の履歴と投資信託の入出金履歴を対比して検討する必要があります。

また、相続人には投資信託を買うような経済的余裕はなかったという点の調査も必要不可欠でしょう。

また、前記②を証明するには、証券会社から来る報告書がどこ宛に送付されてきたのかなども調べる必要があります。

【具体的な検討をすると・・】

前記①の原資を出したり利益を得たりした人が被相続人であれば、その投資信託は遺産になる可能性が高いです。

特に証券会社への買付等の指示を被相続人がしていた、また、報告書も被相続人の手元に送られていたというのであれば、遺産である可能性はさらに高くなります。

逆に前記①で原資を出したり利益を得たりした人が相続人であれば、その投資信託は遺産でなくなる可能性が高いということになります。

今回の質問では《通帳》は被相続人が管理していたはずなのに、現在は相続人が管理していたということのようです。

そのため、あなたのとるべき対策としては

① 原資の点:投資信託の原資を出し、利益を受けたのが被相続人であることを調査する。

② 管理の点:口座の管理については、繰越前の通帳があることで、被相続人が管理していたことがある程度推測されます。

現在の通帳は相続人が管理しているようですが、証券会社などが被相続人宛に報告書を送付していたのなら、被相続人が管理をしている証拠として使えると思いますので、その点の手配もするといいでしょう。

【証明する場合に注意すべき事項】

裁判所は事実を重視します。

事実とは、銀行や証券会社の取引履歴などは客観的な資料であり、これを前提として、証明を展開していくといいでしょう。

このような客観的事実を無視して、《あの人がこう言った、ああ言った》という点は、裁判所はあまり重視しませんので、その点は十分に理解しておくと言いでしょう。

なお、参考例として私が担当した事件(解決例:控訴審から受任し、原審の12倍の6000万円を獲得した大逆転事件)をご覧ください。

ある程度共通するところがあり、参考になると思います。

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