母が亡くなり、父と、兄弟3人が相続人です。
母はパートで9時から18時まで働いていました。
死亡した年齢は満59歳です。父は、母の凍結された銀行口座があるとのことで、署名捺印を押すように言います。
あまりにしつこいので、私はいくつかの銀行の中で1つはサインしましたが、その他はしていません。
残り2、3の銀行口座があると思われます。
最近も、いくらの預貯金があるのか、遺産はどのくらいあるのかと尋ねましたが、「母さんの預貯金はいくらもない」「親の金を当てにするなんて」などと言われ知らせません。
私は法定相続分は欲しいと伝えましたが、その意志はないようです。
ほかに、父の名義ですが、母も住宅ローンを一緒に支払っていました。この件については、母の遺産であることの証明は難しいのでしょうか。
母の遺産の手がかりになるものは全て父が持っていて、見せてくれませんし、住宅ローンに関する書類も私は持っていません。
私の二人の兄弟は、サインしているようです。
弁護士の先生にお願いしたいところですが、母子家庭でお願いするだけのゆとりが無いのが現状です。
【原則は名義で決定される】
まず、住宅ローンを支払っていた自宅があるとのことですが、その名義が父であれば通常は父の遺産とされることになるでしょう。
ただ、全てが名義だけで決まるわけではなく、息子名義だが住宅ローンは父親が全額支払っていたため、息子名義でも父の遺産であるとされたケースもあります。
【預貯金の履歴で調査する】
そこで、住宅ローンを母が支払っていたというのであれば、母名義の預貯金口座から住宅ローンが引き落とされていなかったかを調べることが必要です。
まずは、父がサインを求めてきた、母の銀行口座や、現在判明している母の預貯金口座の取引履歴を取寄せすることをお勧めします。
その取引履歴の中で、母が住宅ローンを出していることが判明すれば、父名義でも、実質は母の所有であると主張することになるでしょう。
もし、母が支払っていたのは、住宅ローンの全部ではなく一部の支払いというだけであれば、その分、共有であるという主張をすることになるでしょう。
【預貯金の履歴は相続人であれば入手が可能】
相続人であるあなたの立場であれば、たとえ父が反対しても資料を銀行からもらうことができます(当Q&A Q&A №98 参考カテゴリ:「遺産調査」 の記事をご参照ください)。
【履歴から何を読み取るのか】
取引履歴から何を読み取るのかが重要で、住宅ローンの支払いだけなのか、あるいは株式や証券の存在も判明することもあるでしょう。
又、新たな金融機関口座が判明すれば、そこから相続人として住宅ローン借入先銀行に問い合わせることができるかもしれません。
その意味でも、預貯金口座の履歴照会は必要不可欠ですので、是非、ご手配ください。