20年親に生活費をいれてない弟夫婦、遺産相続の時この期間を特別受益と証明できますか?
【親が生活に困っている場合には、子は扶養料を支払う義務がある】
親子は直系血族ですので、互いに扶養義務を負います。
そのため、親が生活に困っているようであれば、子供は扶養料を支払うべき義務があります(参照条文:民法877条。末記参照)。
しかし、親が生活に困っていない場合には扶養義務はなく、子供が親の生活費を負担する必要はありません。
【親の生活費を負担しないということだけでは相続問題にならない】
親が生活に困っているのに、弟さんが生活費を負担せず、あなたが生活費を負担したということであれば、それはあなたが扶養義務を尽くしたということであり、相続の問題ではありません。
ただ、あなたの立場から言えば、自分が出した過去の養育料を弟さんに請求できるかという問題です。
結論から言えば、弟さんの収入や生活状況とあなたの分とを比較して、同程度であればあなたが請求(求償)できる場合もあるということになりますが、むずかしい問題ですので、詳しくは家族問題に詳しい弁護士と相談されるといいでしょう。
【特別寄与になる場合がある】
親が困っていないのに、親に仕送りをし、その分、親の財産の減少が食い止められたあるいは増加したというのであれば、相続の特別寄与の問題となる可能性があります。
特に扶養義務を明らかに超えるというほど送金しておれば、特別寄与の対象となり、遺産から先に寄与分相当額を支払ってもらえるかもしれません。
なお、この寄与分については、まず、法定相続人間で協議し、協議がまとまらない場合には家庭裁判所で決定することになります。
《参照条文》
民法第877条
1.直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。
(以下略)