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実例Q&A

★書類を偽造した姉は相続できるのか?【Q&A №461】

2015年8月25日

 

【ご質問のまとめ】

子5人のうち長男が亡くなり、続いて、父、母の順で亡くなりました。

長女に有利な内容で遺産分割がされました。

残りの兄弟は、よくわからないままサインしました。

数年後、長男の財産について、長女が偽造で名義を書き換えていたことがわかりました。

長男の財産を分けるにあたって、長女を外すことはできませんか?

残りの兄弟たちが長女に主張できることはないですか?

記載内容  偽造 欠格 遺産分割協議

【ご質問内容】

両親と兄と四人姉妹です。

兄は独身で両親より早くに亡くなりました。子供はいませんでした。

亡くなる1年前に兄の不動産は姉名義に変えられており、両親が相続する財産はありませんでした。

その2年後に父が亡くなり、さらに4か月後に母が亡くなりました。

両親を続けて亡くして平常心では無い中、長女が知り合いの税理士と一緒になって遺産分割協議を主導しました。

父は公正証書で母と兄そして長女に不動産を遺贈していました。

母は遺言書を書いてはいません。

父の遺言書の執行と母の遺産分割を同時に行いました。

法律のことをよく理解していなかった妹3人は、遺産分割協議書にサインしてしまい、その協議書の控えを貰えることも知らず、とても不公平な分割を了承していることに後で気づきました。

どうすることもできずに7年が過ぎたころ、長女名義に変えられた兄の不動産は、長女が書類を偽造して勝手に名義変更していた事が分かり、裁判で兄の名義に戻しました。

しかし、その兄名義の不動産を姉妹で相続するにあたり長女は法定での分割を主張して譲りません。

長女に遺産を渡さない方法はないでしょうか。

私達が長女に対して法的に主張出来ることはありますか。

父から遺贈された不動産は特別受益として、今回の遺産に含めることは可能でしょうか。

7年前にもどって遺産分割協議を最初からやり直したい気持ちです。

宜しくおねがいします。

(イーサン)

 


【お兄さんの遺産分割について】

 お兄さんには配偶者(妻)も子もないのですから、お兄さんの遺産は直系尊属であるお父さんとお母さんが相続することになり、その法定相続分は2分の1ずつです。

※ 本来の相続の流れ
         お兄さん
             ↓
お父さん(1/2) お母さん(1/2)
     ↓       ↓
 子  お母さん    子
      ↓
      子

【お兄さんの遺産でお父さんが相続した分について】

 お父さんはお兄さんとお母さん、妹さんに不動産を遺贈しているのですから、この遺贈分は特別受益として遺産に持ち戻して、遺産分割をするべきものです。

 ただ、既にお父さんの遺産について分割協議が行われているのであれば、その対象となったお父さんの遺産については特別受益分も含んで解決したと考えるのが通常でしょう。

 遺産分割協議後に(お兄さんの分をお父さんが相続した)新たな遺産が判明した場合には、残念ですが、長女の主張するように法定相続分は渡さざるをえないことになります。

【欠格事由にも該当しない】

 相続人から除外する制度としては欠格制度があります(民法891条:末記条文を参照ください)。

 この制度は被相続人を殺したり、遺言書を偽造したような場合には相続させないという制度です。

 しかし、今回の質問では遺言書ではなく、登記関係書類の偽造ですので、この欠格事由にもなりません。

【遺産分割協議に取消、無効事由はないかを考える】

 結局、既に遺産分割協議をしているというのが一番のネックです。

 事情がわからなかったのならその時点で弁護士等に相談されるべきでした。

 現在、取りうる手段としては、遺産分割協議を何らかの理由で無効にすることです。

 遺産分割協議について、騙されたようなことや思い違い(錯誤)をしているような場合には詐欺で協議を取り消しし、あるいは錯誤で無効とすることもできなくはありません。

 遅きに失した感がなくはありませんが、相続に詳しい弁護士に分割協議時点の具体的な話をしたうえで、協議を無効や取り消しになるような方策がないかどうかを相談されるといいでしょう。

 また、仮にお兄さんの不動産を長女名義にしていた際、長女がその不動産を他人に賃貸しておれば、その賃料を法定相続分に応じて返還請求することも可能でしょう。

 

【参考条文】

民法
(相続人の欠格事由)
第891条
 次に掲げる者は、相続人となることができない。
一 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者
二 被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。
三 詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者
四 詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者
五 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者

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