今回の震災により父方の祖父母が亡くなりましたが、その相続の件で悩んでいます。
私の父も震災で同時に亡くなりましたが、残った父の兄弟達が弔慰金等を受け取り、本来代襲相続の対象となる私を抜きに勝手に分配まで行ってしまったようです。
金融機関にも口座や保険もあったようなのですが、(これは別の方から教えられましたが)こちらもすべて手続きはしたようですが、私には中身を一切あかしてはもらえずそんなのもは無いとしらをきっております。
自宅にも多額の現金があったようですがそれも何も明かしてはくれません。
調停にもちこみたいのですが、はっきりと中身が分からないので持ち込めずにおります。
持ち込む為にはどの様にすればよいのでしょうか?
それと金融機関から情報を開示してもらう為にはどうすればよいでしょうか?
アドバイス何卒宜しくお願い致します。
【調停の申立手続は家庭裁判所で聞く】
調停の申立手続は、家庭裁判所で親切に教えてくれます(なお、調停申立は、原則として相手方の住所地の家庭裁判所になります)。
調停は、調停委員が取引履歴等の調査をしてくれることはありません。
せいぜい、相手方に資料を出すように言ってくれるだけですが、相手方が提出を拒否することもあり、又、出てきても一部の口座だけということもよくありますので、予め金融機関で取引履歴等の情報を入手することが必要不可欠です。
以下に述べる調査で遺産をみつけだせるかどうかで、あなたの取り分が大きく違ってきます。
【相続人全員の同意がなくとも、取引履歴を開示してもらえます】
数年前まで、多くの金融機関が、被相続人(死亡した人)の預金口座の動きを知りたければ、相続人全員の印鑑をもらってこいという姿勢でした。
しかし、平成21年に最高裁判所が、相続人からの請求があれば、全員の同意がなくても、被相続人の預金の取引内容を知らせなければならないとの裁判をしたことから、現在は、ほぼほとんどの金融機関がこれに従っています。
【取引履歴開示のために必要なことは】
①相続人であるという裏付資料が必要
まず、あなたが、被相続人の相続人であたることを明らかにする資料が必要です。被相続人とあなたのお父さんの除籍謄本(死亡された人の場合は、戸籍と言わず、除籍謄本といいます)、あなた自身の戸籍謄本の取り寄せが必要です。
又、あなたが戸籍に記載された相続人であることも、金融機関に証明する必要がありますが、これは運転免許証で十分です。
②どこの金融機関だけでなく、支店名も調査しましょう。
取引履歴の開示は各金融機関の支店毎に請求する必要があります。
したがって、被相続人が、たとえば三井住友銀行と取引していたというだけでは足りず、同銀行のどこの支店と取引していたかを確認する必要があります。
③取引履歴を確認する必要がある。
被相続人が死亡した時点の遺産残高の確認だけでは不十分です。
被相続人が死亡する前に、多額の金銭が引き出されている場合が多いので、死亡前の少なくとも数年前からの取引状況の開示が必要です。
質問のケースのように、遺産の内容を知らせてもらえない場合には、かなりの確率で生前、あるいは死亡直後に預金の引出がされていると考えてよいでしょう。
【取引履歴を入手したあとの作業は】
金融機関から情報を入手した後で、その取引におかしい点があるかどうかを確認する必要があります。
又、備考欄から、被相続人が取引していた他の取引銀行や証券会社が判明した場合には、その金融機関に対しても取引履歴の調査をする必要があるでしょう。