【ご質問内容】
私の母のことで相談させていただきます。
13年前に亡くなった弟の預金、約50万円を銀行で相続手続きをしないまま、弟の法事や、弟の友人の冠婚葬祭の費用に充てる為に引き出していたことが分かりました。
約10万円を使い、残金は40万円の様です。
このような場合、今後どのような手続きをすれば良いのか。
また、母に対し罰則等はないのか心配しております。
ご教示の程宜しくお願い致します。
【息子の死後にその預金を引き出した母は処罰されない】
被相続人である息子(弟さん)の死亡した後に、そのお母さんが遺産である預貯金を引き出した場合、窃盗等の犯罪が成立しますが、刑法で親族間の窃盗は処罰しないと定められていますので、お母さんが処罰されることはないでしょう(この点については過去のブログ【Q&A №389】不正出金による窃盗罪は成立するかに詳しく記載していますのでご確認下さい)。
【今後、遺産分割協議をする】
今回の質問では、相続関係が不明です。
弟さんに配偶者(妻)がいるのかどうか、また、子がいるのかどうかが明らかではありません。
もし配偶者や子がおれば法定相続人になりますので、その人らの間で遺産分割協議をすることになります。
法事の費用は相続費用ではありませんので、お母さんが相続人でないとした場合、他の相続人はお母さんが引き出した50万円の返還を求めることができます。
ただ、そのうち、10万円は弟さんの法事費用ということであれば、その分を除外して残額を返還してもらうという解決もあり得ますが、この点も含め、法定相続人間で遺産分割協議で解決するべき事項でしょう。
お母さんが法事費用に支出したということのようですので、弟さんには配偶者も子もいないということかもしれません。
その場合には、お母さんが直系尊属として法定相続人になりますし、お父さんが生きておられるのであれば、お母さんとお父さんの間で遺産分割の協議をすることになります。