父、母、私名義1/3づづの土地が有りました。
父が死亡して遺産相続手続きはしていませんでした。
5年後母が悪徳不動産に借金をしその後、母は破産し、返済できない分を競売にかけられた、土地の母の所有分1/3を悪徳不動産とられ(共有財産となり)、残りの父の所
有分1/3を、唯一の姉妹である、姉が、私の同意もなく、法廷相続分の権利申告をし、自分の物としていました。
姉1千万円ほどと母はその他全て、父の遺産現金部分ををすでに自分たちの生活の処理(姉は離婚裁判費用など、母は自分の借金くめんなど)に使い果たしていました。
このような行為は法的に許されるのでしょうか?私が弁護士などを通して訴えれば、父の最後の遺産を私が全て処分する権利は得られるのでしょうか?
因に、土地の権利書は姉が勝手に隠し持っていて、自分の弁護士に渡して処理をお願いしているからと返してくれません。
私にはなにもするてだてはないのでしょうか?
【相続分の確認】
遺言がない限り、母、あなた、姉の法定相続分はそれぞれ、2分の1、4分の1、4分の1です。
今回の土地は父、母、あなたの三人が3分の1の割合で共有しているので、相続後の土地の持ち分割合はそれぞれ、12分の6、12分の1、12分の1です。
【あなたの相続分をなぜ取得できたのか】
今回の質問では「父の所有分1/3を、唯一の姉妹である、姉が、私の同意もなく、法廷相続分の権利申告をし、自分の物としていました」と記載されています。
しかし、なぜ姉はあなたの相続分(12分の1)を取得できたのでしょうか。
姉が、父の持分を全部相続する遺言があったのであればともかく、そうでなければ、あなた及び母の同意(さらには印鑑登録証明書も)が必要です。
あなた達がもし、姉に騙されて印鑑証明書を渡したというのであれば、詐欺などが成立する可能性があります。
また、姉がこれらの書類をあなたの知らないうちに偽造したということであれば、有印公文書偽造(さらには私文書偽造)等の刑法上の犯罪に該当しますし、相続登記が無効であるとして移転登記の抹消請求をすることができます。
【現金について】
父の遺産のうち、現金部分についても、前記のとおり、母が2分の1、姉とあなたがそれぞれ4分の1を相続で取得することになります。
従って、あなたとしては、姉や母に対して、あなたの相続分に相当する現金の引き渡しを求めることができます。
遺産である現金を姉や母が勝手に使ってしまったとしても、残念ながら親族間の問題として処罰されることはありません。
返還請求をすることは法的には可能ですが、母が借金を重ねた結果破産したというのであれば、母に返還請求しても返金されることはないでしょう。
結局、姉に対して、あなたの相続分に相当する金額の返還を求めるしかないでしょうが、姉が返金してくれる可能性も質問を見る限り少なそうです。
【遺産からの返還が現実的である】
父の遺産として預金などが残っているのであれば、そこから返還を受けるのが最も現実的な解決です。
ただ、注意するべきことは、あなたが弁護士に依頼しても、父の残された財産が、当然に全てあなたのものになるわけではありません。
遺産分割調停や訴訟をして、使った分に相当する預金分などを引き渡せという手続きをした場合、その解決方法として、預金など、残された遺産があなたに相続されるようになることを姉などが認めることがあるというだけです。
【登記の移転を防ぐためには仮処分をする】
姉が、父の持分3分の1を勝手に自分名義にしたということですので、姉がその持分を第三者に譲渡する可能性がないわけではありません。
それを防止するためには、弁護士に依頼して《不動産持分の移転を禁止する仮処分の手続》をしてもらうといいでしょう。
この手続きで、姉名義になったあなたの相続分(父の共有持分の4分の1)について、売却処分などの権利移転を防止することができます。
質問の事実関係でわかりにくい点もありますし、法律的に整理をする必要もありますので、いずれにせよ、早めにお近くの弁護士に相談されることをお勧めいたします。