平成元年から20年間にわたり母方の祖母、叔父(母の兄)夫婦を敷地内のはなれで世話をしてきました。
8年に祖母、12年に叔父が他界しました。20年に叔母がなくなりました。
葬儀は三度とも私がやりました。
叔母を送り出したあと50年以上連絡の取れてない叔母の兄弟に再三連絡をし(相続のため)家財その他を処分検討してくれるよう話をしましたが、全然相手にされませんでした。
あきらめて去年の暮にはなれのかたづけをしていると、遺言書が出てきました。
検認申し立て中ですが、私に預金を遺贈するとの内容であれば、預金の名義変更には叔母の兄弟の書類が必要になりますか?
叔母には子供はなく、遺産になりうるのは預金のみです。
叔母の兄弟やその代襲相続者には協力をお願いしても、正直期待がもてません。
よろしくお願いします。
【自筆の遺言書では検認が必要】
公正証書遺言では、そのまま遺言書の内容を実現できますが、自筆の遺言書の場合は、家庭裁判所での遺言書の検認の手続きが必要です。
この検認とは、相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせる手続きです。
この検認の日はすべての相続人に通知されます。
検認されたからといっても、遺言の有効性が確認されるわけではありません。
検認された遺言書でも、無効を主張することができます。
【検認を終了した遺言書で預金をもらえるか?】
さて、質問の回答です。
自筆の遺言書は全文や署名等を自筆で記載するなどの有効になるための要件があります。
これらの要件を満たしており、その内容があなたに預金を遺贈するという内容であれば、相談者は預金を取得することになります。
ただ、自筆の遺言書については、金融機関は単独での払い戻しに応じないことが多いです。
自筆の遺言書の場合、はたして真実のものかどうかなどを巡って紛争になることも多いからです。
そのため、金融機関としては払い戻しを認めると他の相続人から抗議をされる場合も考えて、簡単には払い戻しに応じないのです。
【念のために確認を】
ただ、金融機関により対応が異なる可能性があります(例えば遺言執行者がおれば、支払いを認めるというところがあるかもしれません)ので、念のためにその預金のある金融機関に確認をされるといいでしょう。
なお、金融機関が単独での払い戻しに応じない場合には、本件では他の相続人の協力を得られないようですので、銀行を相手に預金の支払いを求める訴訟を起こす必要があります。
この預金払渡請求訴訟に勝訴すれば、その確定判決によって戻しを受けることが出来るようになります。