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実例Q&A

遺留分放棄申立に預金の記載は必要か【Q&A №223】

2012年12月20日


 

 

遺留分放棄についておたずねします。

私、妻ですが結婚前の預金等、持家があります。

この度の再婚を機に子供にすべて残したいため(私の連れ子)現、主人と話し合いをしたところ遺留分放棄を書くとのことですが(遺言書は書いています)家庭裁判所に申し立てをする時の書式に預貯金を書く欄があるのですが、(持家、動産は主人も把握済み)主人は私の預貯金は知りません。

知った場合は書かないかもしれません。

一括での生前贈与は贈与税がかかるので年110万以下をやっておりますが、期間がかかりすぎます。

預貯金を知られたくない場合で、もし書かなければ、その預貯金は放棄の対象にはならないのでしょうか?

金額を書かずにすむ方法はないでしょうか?

 

(rika0405)

 

 

 

【事実を記載する必要がある】

法律上、被相続人の生前に相続放棄をすることは認められていません。

しかし、生前に遺留分を放棄することは認められています。

ただし、そのためには家庭裁判所の許可が必要です。

家庭裁判所は、遺留分の放棄をする者(本件ではご主人)が、遺産がどの程度あるのかを知った上で、なおかつ、遺産(遺留分)は要らないという放棄の意思表示するのかを確認するために、遺産の内容を記載させるのです。

【虚偽の記載をした場合の問題点】

裁判所としては、遺産の内容が少なかったからといって、常に裏づけ資料まで提出を求めるわけではないので、虚偽の遺産内容を記載した遺留分放棄書であっても許可されてしまう可能性はあると思います。

ただ、あなたが死亡したとき、何らかの形で、放棄許可の遺産内容に虚偽があったことが判明した場合には、遺留分放棄が無効だという主張が出てくる可能性は残るでしょう。

なお、念のために言えば、子供さんに生前贈与をし続けると、その分、あなたが死亡した時点での遺産内容は大幅に少なくなっていきます。

その結果、放棄書記載の遺産内容と現実の遺産の内容がそれほど変わらない状態となってしまう可能性も考えられます。

このような場合には、記載された遺産内容が虚偽であるとは断定できなくなるということはあるかもしれません。

しかし弁護士としては、やはり、ご主人に事情を説明し、理解を得るしかないと言わざるを得ません。

本件では、ご主人に正面から事情を説明し、子どものためであることを説得し、理解を求められるべきでしょう。

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