【質問の要旨】
19年前の交通事故保険金の支払い記録の開示はできるか
【ご質問内容】
19年前の父親の交通事故死による保険会社(当時住友損保、現三井住友損保)の任意保険支払いの記録を開示させることはできるのでしょうか?
それぐらい古いと記録は残っていないと担当者が一度回答してきました。
私以外のもう一人の相続人である弟が、当時相続税の上限にかかるので自分のところに入れるといって1400万円ほどを振り込んだのは間違いなく、戸籍謄本等を取り寄せて母親経由で提出した記憶があります。
当時のことを尋ねると弟はいつも恍けて憶えていないと答えてきます。
記録が出てくれば何とかなりそうなのですが、上手い方法はないものでしょうか?
ご教示よろしくお願いいたします。
※敬称略とさせていただきます
【19年も前の交通事故の記録の開示を求める理由は?】
質問から見れば、父の死亡保険金を弟が全額、自分の口座に振り込ませたことをどうして証明するのかという質問だと思われます。
もし、そのような取り込みがあれば、弟の特別受益あるいは一時預かりであり、遺産に持ち戻しあるいは返還請求ができる可能性はあります。
【過去のお金の動きを確かめる方法】
お金の動きがあるのなら、その確認方法は
① 出金した保険会社を調べる。
② 入金した銀行を調べる。
③ 当時、入出金にかかわった関係先を調べる。
の3つの方法があります。
【保険会社には、金銭の動きのみに限定して再度の照会をしてみる】
保険会社が父の死亡金の支払いについての記録を作成しています。
問題は19年も前の記録を保存しているかということです。
19年もの昔ということであれば、《記録が残っていない》と言われればそれ以上に調べる方策はないでしょう。
ただ、保険にかかる全記録が欲しいのではなく、《いつ、誰に、いくらを送金したのか》というお金の動きが必要なケースです。
保険に関する全記録は廃棄していても、金銭の動きだけなら、コンピューターに保存されている可能性があるかもしれません。
そのため、《送金関係だけでいいから》と照会事項を限定して、コンピューターに履歴が残っていないかを調べてくれと、再度申し入れをしてもいいでしょう。
【入金した銀行の調査】
入金した銀行の調査も考えられますが、これは弟の口座であり、弟の同意がない限り、あなた側では調査ができません。
また、金融機関が19年も前の記録を保存している可能性は少ないでしょう。
なお、通帳が残っている可能性もありますが、それも弟が《そんな古い通帳は残していない》という対応をすれば、それ以上に追求するのは難しいでしょう。
【刑事記録の確認は保存期間の関係で難しい】
19年前の事故は死亡事故のようですので、加害者を被告人として刑事訴訟がなされた可能性があります。
その中に保険金の支払いのことが記載されている可能性もありえます。
しかし、刑事記録の保存期間は判決によって異なり、過失による事故であれば最長10年程度ですので、その記録が残っていることは、まず、ないでしょう。
【コピーや手紙、メールの履歴を確認する】
父が死亡したときに、その相続人の一人の口座に送金をする場合、保険会社としては他の相続人の同意の書面を取ります。
その同意をした書面自体は保険会社に渡しますが、その時にあなたや他の相続人がコピーをしているようなことはありませんか?
支払いに関してメールや手紙でやり取りをしたことはありませんか? 念のためにお調べになるといいでしょう。