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実例Q&A

相続紛争中に生じた納税の負担【Q&A №313】

2013年9月5日

 

 

数年前になくなった叔父は、何十億単位の財産を、妻子ではなく兄弟に等分して遺贈するという遺言を残してなくなりました。

(兄弟の一人が私の父です。)

兄弟達は、叔父が亡くなると同時に、叔父の妻子達から遺留分減殺請求の申し立てを受けました。

分割協議・調停を行うも話し合いは難航し、未分割のまま数年が過ぎ、今に至ります。

分割協議が確定するまでは、遺贈を受けた人に納税の義務があるという事で、兄弟達は高額な相続税を課せられた状態が続いています。

兄弟達には納税する現金がありませんので、叔父の残した土地のみならず元々自分たちの持っていた土地までを担保にいれて、延納をお願いしています。

相続人達はのらりくらりの対応で、分割を決着させようとする気配がありません。

(質問1)本税以外に延滞金のような金額が発生しておりますが、この金額は、相続が確定して払いすぎた分が返還される時に返してもらえるのでしょうか。

また、その延滞金を分割協議を長引かせている妻子達に請求出来るのでしょうか。

(質問2)このまま時間が過ぎて、減殺請求自体が無効になることはあるのでしょうか。

(質問3)減殺請求をする時点で、請求者に納税の責任を移行するべきではないかと思いますが、それは無理な事なのでしょうか。

この説明だけでは不十分かと思いますが、出来る範囲でかまいませんので、ご返答を頂きたく、よろしくお願いいたします。

記載内容  相続税 延滞税 長期化 遺留分減殺請求 更正請求

(困った一族)

 

【税金の相談は念のために税理士へ確認する】

今回のご相談のうち、質問1及び3は、相続税という税金に関する相談です。

可能な範囲で回答いたしますが、不正確な点もあるかもしれません。

正確なところは、税金の専門家である税理士等にご確認いただきますようお願いします。

【請求を受けた時点で遺留分減殺の効果は発生する】

まず、法律問題について回答します。

遺留分減殺請求は、遺留分が侵害されたことを知って1年以内に行使する必要がありますが、その期間内に遺留分減殺の意思表示がなされた場合、その効果が発生します。

減殺請求をした後に、請求した人が調停や訴訟をせずに長年放置しても、既に遺留分減殺の効果が発生しているため、減殺請求自体が無効になることはありません。

なお、長期間放置されていることに不満があるのであれば、減殺請求を受けたあなたのお父さんの側から遺留分を確定する訴訟をすることも可能です。

この点については、法律の専門家である弁護士と相談されるといいでしょう。

【減殺請求の時点でも、請求者に納税責任は移転しない】

遺贈を受けた人物(受遺者といいます)に課税された相続税は、たとえ遺留分減殺請求を受けた場合でも、請求権利者に移転することはありません。

この根拠は、相続税法の改正経過です。

以前は遺留分による減殺請求があった時点で相続税の更正請求ができるということになっていました。

しかし、平成15年の相続税改正により、請求した時点ではなく、遺留分による請求に基づく返還または弁償するべき額が確定した時に更正請求ができるということに変更されました。

このような税法の規定の変更経過から見て、請求時点で更正請求ができず、その結果としての請求者の相続税の移転がないことになります。

【確定した場合には更正請求で請求者が納税義務を負う】

前項で述べたように、遺留分減殺請求で返還するべき財産が調停や判決で確定した時には、お父さん側としては遺留分請求者に渡した財産分を減額した内容での更正請求が可能です。

なお、この更正請求はすることが可能ということですので、しなくともなんら問題はありません。

更正請求をした場合、払いすぎた分の相続税は当然還付されますし、その分にかかる延滞税も支払っていたのなら還付されます(なお、延滞税は還付されるのですから、分割協議を長引かせている妻子に返還請求はできません)。

更正請求がなされた場合、その減額された分につき、請求者に相続税の支払い義務が発生します。

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