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実例Q&A

相手の説明の変更について裁判への影響【Q&A №635】

2019年1月10日

 

 

 

【質問の要旨】

不正出金を追求する方法

記載内容  遺産分割 引出し 頼まれた 

 

【ご質問内容】

昨年86歳で亡くなった母の遺産分割で、母と同居していた弟夫婦から相続放棄を求められています。

理由は「母の財産はほとんど無いから」との事です。

(父は他界しており、母の遺産の相続人は私と弟の二人だけです)

そこで、弟夫婦に対して母の財産管理について確認すると「私達は母の通帳を管理していない。

母が亡くなって初めて母の通帳を見たら残額が無くなっていた。」や「預金については母が自分で引出しをしていた。

私達夫婦は関わっていない。」とメールで回答が来ました。

私としては、母が父から3000万円もの預金を相続したのに、わずか2年で使い切るなど考えられませんでしたし、母には比較的多額の年金収入もあり預金を崩す事も考え難いので、母の取引履歴と引出し伝票を取り寄せました。

すると引出しのほとんどが弟の勤務先近くのATMで月に数十万円も引き出されており、ATMで引き出せない額については弟の筆跡のある伝票が出てきました。

それを弟夫婦に伝えたところ、「全ての引出しは母の頼まれたからです。」とメールで回答が来ました。

今回教えて頂きたいのは、2点あります。

1)これだけの証拠で裁判で戦えるのでしょうか?

私が証明できるのは、①母の預金を弟が引き出した事、②それが多額過ぎる事(不自然だというとこ)だけです。

2)上記の通り、取引履歴を取る前と後で弟夫婦の回答が変わっています。

これは裁判で使える事なのでしょうか?

【補足】

ご質問させて頂いた内容について、お伺いしたい内容が明確でなかったかと思い補足させて頂きたく投稿致しました。

真にお伺いしたい事は、取引履歴の取得前と後で、相手の説明が変更となることについて裁判にどう影響するかどうかです。(まだ裁判はしていませんが)

〈取得前の弟の説明〉

母の財産管理については「関わっていない。残高も知らない。引出しも行っていない」という説明

〈取得後の弟の説明〉

「全て母に頼まれた。引き出したお金も全部母に手渡した」という説明

に変わりました。

この変化について裁判に影響はありますでしょうか?

 

(はって2344)

 ※敬称略とさせていただきます。


【弟が出金したことについては、ある程度証拠がそろっている】

出金状況については、すでにだいたい調査をされ、弟の勤務先近くのATMや、弟の筆跡の出金伝票でもって出金されたことが明らかになっているようであり、弟も自身が出金したことをメールで認めているようです。

他に母の有していた口座はないか、追加の調査が必要となる可能性はありますが、それを除けば、「弟が出金した」という事実については、証拠がある程度そろっているといえます。

 

【ただ、出金した金員を弟が取得したことの証拠は不十分】

ただ、使途不明金の返還を求めるためには、弟が母の預金を出金したという事実だけでは足りません。

現在、弟は「母に頼まれて出金した」という主張をしているようであり、「出金した金員は母に渡したから何に使ったかは知らない」といわれてしまえば、出金した金員を弟が取得した事実については、あなたが立証しなければなりません。

この立証はなかなか難しく、

1.出金金額が多額であるか(一般に月に十数万円程度なら生活費相当額と判断されやすい)

2.母が金員を必要とする理由があったか

3.それまでの母の出金態様と弟が出金を始めてからの出金態様に変化があるか

等の事実をうまく利用して、母が使ったとの弟の証言が不自然であることを主張していくことになります。

また、当時母に意思能力がなければ、弟に対して出金を依頼するということも不可能ですので、もしもその可能性があるのであれば、当時の母のカルテや診療記録を取り寄せして確認することが必要になります

 

【弟の説明が変わっていることも不自然さの証拠の一つにはなる】

最後に、あなたによる調査前と調査後で弟側の説明が変わった点ですが、事実を隠蔽しようとしている節が見受けられ、発言に信用性がないということで、他の証拠と合わせて、弟が出金した金員を取得したことの証拠の一つにはなりえます。

ただ、発言の変遷だけで、弟が取得したことの立証ができたとはいえませんので、あくまでも上記に述べたとおりの他の事実と合わせて、効果を発揮するものといえるでしょう。

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