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実例Q&A

後見人から相続人への引き継ぎトラブル【Q&A №651】

2019年6月18日

 

【質問の要旨】

後見人から相続人への引き継ぎについて

 

【ご質問内容】

相続人同士が不仲な為、現在控えている弁護士の後見人からの引継ぎに不安があります。

相続手続きを依頼する弁護士の先生(探し中)へ引継ぎの通帳等を後見人から弁護士先生への郵送は可能でしょうか。

 
(だいち)

 ※敬称略とさせていただきます。

【相続人の一方の弁護士に渡すことは、原則はしない】

亡くなった方(被相続人)に後見人が就いていた場合、ご相談にあるような通帳その他の財産引き継ぎの問題がいつも生じます。

後見人は速やかに財産を引き継ぐ義務を負っていますが、各相続人にとって中立な立場です。

特に後見人が弁護士であれば、うかつに通帳を返すと後見人自身が責任を問われるというリスクを当然、考えるでしょうから、相続人の一人に、たとえ弁護士がついても、通帳等を渡すことはしないでしょう。

ただ、相続人全員の同意で、代表受取人が決まれば、後見人はその代表に渡すということはあり得ます。

【遺言がある場合の注意】

遺言がある場合などは注意が必要です。

たとえば、公正証書遺言で「遺産はすべて○○に遺贈する」などと書かれている場合、後見人としては遺贈を受けた相続人から通帳を返すよう請求されると断る理由がありません。

(遺留分という問題は残りますが、あくまで後見人は速やかに引き継ぐ義務を負っている以上、後見人が引き継ぎを断る理由にはならないでしょう)

【保全手続を申し立てる手段もある】

なお、どうしても相手方に通帳に渡されることが不安、という方には、後見人のところから相続人に財産を引き継がないよう凍結させてしまう保全処分、という手段もあります。

当事務所では、過去に、遺言書があるケースで、その遺言書を無効であるとして、家庭裁判所に対して仮処分の申立てをし、預金通帳を渡すのをストップさせたことがあります。

この事件は遺言者が意思能力のない段階で作成された遺言の可能性も高かったために、裁判所が仮処分を認めたことから、通帳の引き渡しが法律的に停止されました。

結局、相手方が預貯金を引き出せなかったこと、もちろん遺言書に問題があったことも相まって、相手方は遺言書の無効を前提としての和解に応じました。

引き継がれる財産額が大きく、いったん相手方に渡ってしまった場合に不測の事態が考え得るのであれば、弁護士に依頼する費用がかかり、かつ裁判所の決定する保証金を納める必要がありますが、弁護士と相談され、この仮処分の有効活用を考えられてもいいでしょう。

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