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実例Q&A

遺産分割協議で失敗しないために【Q&A №67】 0067

2011年4月7日


 

昨年母方の祖父がなくなり、相続人は叔父(母の弟)、母が既に亡くなっているので私本人(成人)です。祖父の兄弟は既に他界しています。

遺書はなく、相続の対象は、祖父の預貯金、祖父名義の土地家屋です。

叔父との関係について、叔父には以前私からの借金などがあり、その返却もまだ無いことから信用ができません。

預金に関しては葬儀代や墓購入などを叔父がしたため、話し合いの結果私への借金を差し引いた額を叔父が相続することになりました。特に借金を返済するなどの証書などはありません。

相談の内容ですが、

・祖父の預貯金から私への借金の額をきちんと返済してもらうことはこのままで可能でしょうか?
何か証書をつくるべきだったでしょうか。うやむやにされるのを避けたいです。

・また土地家屋については売却した分の額を2分割する予定ですが、現在全て叔父が不動産屋と話して進めています。

離れた場所に住んでいることから私が話しに立ち会ったりすることは難しい状況です。

きちんとした相続を行なうために、私が注意することや、確認しておくことなどはありますでしょうか?

(tomo)


【共同相続人から貸金を回収する方法】

遺産の預貯金から貸金を返済するという書面を作成する必要があるかという質問に対しては、その通りという回答になります。

しかし、それだけでは不十分です。

本当に返済してもらうためにどうするかを考えるべきでしょう。叔父が預貯金を払い戻した後に、あなたに借金を返済するという保証はないのです。

遺産の預貯金のうち、あなたの借金分に相当する額の預貯金を、あなたが直接、相続で取得することを考えましょう。

預貯金口座は一つではないと思いますので、あなたの貸金に相当する分に近い金額の預金口座を、あなたが遺産から取得するということを遺産分割協議書に記載するといいでしょう。

なお、既に叔父が払戻しをしているのであれば、後に記載する不動産の売却代金から回収する手段(たとえば、借金を支払ってくれないなら売買契約に同意しない、登記関係書類を渡さない等・・)を考えるべきでしょう。

【遺産である不動産の売却で問題になる点】

遺産である不動産を売却する場合、問題となるのは次の点です。

①不動産の売却価額が妥当か?
②売買代金が本当に支払いされるのか?

当事務所では、多数の業者(相手方の紹介の不動産業者も参加してもらいます)で競争入札させて値段を決定することにしていますが、このような方法を取れるのは、不動産業者を多数知っている弁護士だからでしょう。

適正な価格を確保するためには、あなたも信頼できる不動産業者を選んでもらって交渉を任せ、又、税務署が公表している路線価などを参考に売却代金が妥当かどうかを判断するしかないでしょう。

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