3人兄弟の真ん中です。
まだ遺産分割協議書を作成していませんが、兄が法事費用の不足を理由に銀行口座の全額を、払い戻して自分の口座に入れたいから書類に実印を押して送り返せと言ってきています。
十万ほどの法事費用に多額のお金を下ろすのは納得がいきません。
書類には金額も書いていません。
これを送ってしまったら、自分の相続分を受け取れない気がします。
どうすればいいんでしょうか? よろしくお願いします。
【10万円のお金がないのでしょうか?】
法事費用は、今回の法事(祭祀)を主宰する兄が出すべきものであって、遺産から出すものではありません。
兄は10万円のお金も出ないほど生活に困っているのでしょうか。
もし、本当に法事費用も出せないほど生活に困っているのであれば、払い戻しすると、預金全部を兄が生活費に使ってしまう可能性があります。
逆に、嘘を言っているのだとすれば、兄が預金全部を独り占めするおそれがあります。
いずれにせよ、兄が預金を払い戻す書類に印鑑を押せば、兄が預金を全額取得する可能性があります。
【どうすればいいのか?】
預金が他にもある場合は、それぞれの預金を法定相続の割合になるように分けるということが考えられます。
たとえば、A銀行の定期預金は長男、同行の普通預金は三男、B銀行の定期預金はあなたが、という分け方が考えられます。
あるいは、遺産が今回解約を求められた口座しかない場合には、兄弟それぞれに対し均等に払い戻しできないか、と銀行に相談してみてもいいでしょう。
【銀行は相続人全員の同意を求める傾向にあります】
相続預金の払い戻しについては、本来、相続人が一人でその相続分について払い戻しをすることができるべきものです。
しかし、残念ながら銀行は、相続人全員の同意がないと一切払い戻しに応じないことが多いです。
ただ、《相続人の全員の同意があれば》、兄弟それぞれが自分の相続分だけ預金を払い戻しすることも可能かもしれません。
もし銀行がそのような扱いに応じてくれるのであれば、均等割合での払い戻しにできるような書類を作成してもらうよう、兄に協力してもらうといいでしょう。
ただ、ご相談の内容からすると、どのような持ちかけ方をしてももめ事になる可能性はあると思われますので、そのときは弁護士に相談されることをお勧めします。