兄妻の遺産相続について
兄弟で2世帯同居していましたが、兄夫婦には子供がいませんでした。
妻は郵便口座にお金を残したまま夫より先に死去しましたが、数年後に夫は妻の口座からお金をおろさないまま死去しました。
妻が亡くなって大分経ちますが、今現在も郵便口座はそのままになっています。
弟夫婦の妻は既に死去しており、子供たちは結婚し独立しています。
兄弟二人は互いの妻が亡くなった後に、養子縁組して弟は兄の養子になり、兄と二人暮らしをしていましたが、数年後に兄が死去してしまいました。
兄弟ですが養子縁組をしていたので法律上は親子になりますが。
兄の妻の両親は死去、兄の妻には実の姉と腹違いの兄がおりましたが、実の姉は死去しており子供はいませんでしたが養子が一人います。
腹違いの兄は生存しています。
このような場合、兄と養子縁組をした弟は、亡き兄の養子になったということは、亡き兄の亡き妻の遺産を一人で受け取ることになるのでしょうか?
それとも、兄の妻の姉の養子と腹違いの兄との3人で分配されるのでしょうか?その場合の分配率はどうなりますか?
【相続関係の整理】
今回の質問は、お兄さんより先に死亡したその配偶者(妻。以下、被相続人といいます))の遺産の相続に関するものです。
この被相続人の相続関係を整理しますと、
・配偶者・・お兄さん
・直系尊属・・既に死亡
・兄弟・・実のお姉さんと異母兄弟のお兄さんがいた。
但し、実のお姉さんは既に死亡しているが、その子供(養子)がいる。
ということになります。
【配偶者と兄弟間の相続分について】
上記のような相続関係では、配偶者であるお兄さんの相続分は4分の3であり、兄弟の相続分は合計で4分の1になります。
ただ、お兄さんが死亡されたということであれば、被相続人(お兄さんの妻)の遺産のうち、お兄さんがもらう分(4分の3)は、その養子である弟さんが全部取得することになります。
【兄弟間の相続分・・代襲相続と異母兄弟】
なお、実のお姉さんは死亡していますが、その子供さん(養子)が代襲相続しますので、兄弟としての相続人は実のお姉さんの子供(養子)と異母兄弟のお兄さんになります。
ただ、異母兄弟というのであれば、その相続分は、父母を共通にする兄弟の半分の相続分となります。
その結果、実のお姉さんの子供(養子)の法定相続分は12分の2、異母兄弟のお兄さんの法定相続分は12分の1になります。
【異母兄弟の相続分が違うことについては議論がある・・】
なお、異母兄弟の相続分が少ないことについては議論があり、法の下の平等に反するという見解もあるところです。
しかし、現在の裁判所の扱いでは、前項に述べたとおり、異母兄弟は半分という扱いで統一されています。