【質問の要旨】
口頭で不動産の相続に合意したが、登記に応じてくれない
【ご質問内容】
5年前親が死んで、貯金は500万円 姉が相続し、親と同居していたわたしは、家と土地、畑を相続するということで合意しました。
それは口頭で合意したもので、遺産分割協議書はつくってませんでした。
ところが、登記名義を私に変更しようと思い、姉にいったら、それに協力してくれません。
1.姉にたいして、相続登記に協力せよ、という裁判はおこせるのでしょうか?
その場合、私のほうで、立証しなければいけないことはありますか?
2.また、家裁に遺産分割協議をわたしが、申請した場合、どうなるのでしょうか?
家裁はすでに、遺産分割協議は終了している、と判断して受け付けてもらえないのでしょうか?
それとも、私の主張とおり、私への名義変更がみとめられるのでしょうか?
それとも、遺産分割協議をやりなおして、民法の法定相続分とおりの判断がなされるのでしょうか?
この場合、不動産価格が3000、万円ぐらいなので、私に不利となります。
【相続登記を求めて訴訟はできるが・・】
お姉さんを被告にして、遺産である不動産を私の単独名義に移転登記せよとの訴訟を起こすことは可能です。
問題は、勝訴するかどうかです。
【あなたが不動産を相続することの合意の証明責任がある】
遺産分割協議については、通常の場合、分割内容を記載した書面を作成し、かつ実印を押捺して、印鑑証明書を添付します。
口頭で合意ができないわけではありませんが、《言った、言わない》という議論になること及び遺産という多額の財産の分配のことですので、実印を押捺した書面を作成するのです。
今回の場合、お姉さんが合意書作成に応じなかったこと、又、相続登記に協力しないようであることを見ると、裁判でそんな合意はなかったと争うことは間違いないでしょう。
その場合、あなたとしては《不動産をあなたに相続させるとの合意》が間違いなくあったという点を証明する必要があります。
質問から受ける感じから言えば、なかなか証明は難しそうです。
合意の証明ができない限り、裁判はあなたが負けることになります。
【調停の場合も、合意をお姉さんが認めないと法定相続分で・・】
裁判と異なり、家裁での遺産分割調停は話し合いです。
しかし、お姉さんが不動産をあなたに相続させるという合意があったことを認めてくれない限り、調停でもあなたの主張する遺産分割協議を前提としての話し合いはむずかしいでしょう。
結局、法定相続分を基準としての調停が進む可能性が高いという結論になります。