父は遠く前に他界しており祖母は重度認知症(現在は他界)、そして祖父が亡くなったため、私、兄、叔父の相続になりました。
すると叔父が「(祖父の)口座が凍結されるから、急いで印鑑証明をとってこい」と言ってきました。
時私は多忙で、引退して暇があり祖父と同居の叔父なら書類も揃えやすいと思ったため、ろくに説明も無いまま委任状を書いてしまいました。
いつまでたっても説明が無い中、母が「少しくらい子供に分けては…」と聞くと、「若者が大金を持つべきじゃない」と完全に自分のものと思っているようで、挙句、何千万もする老人ホームに入りたいと言い出しました。
また、祖父には妹やその子供がいるのですが、叔父が亡くなる時に私と兄以外に相続人が出ないか確証があるか尋ねると、「知らないが多分大丈夫だろう」などといい加減な返事をされ、心底呆れ果ててしまいました。
私は、叔父の元の財産額も、祖父の遺産額も、今どこに預けているのかすら知りません。
黙って使われても「元からこの額だ」と言われればそれまでです。
委任状を書いてしまった自分が悪いのですが、今から自分のために出来ることは何か無いのでしょうか?
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大事な情報を忘れていたので付け加えます。
・叔父は独身で婚暦などもありません。
・祖父の家(父の実家)も遺産になるとは思いますが、現在、そのまま叔父ひとりで住んでいます。
宜しくお願いいたします
【委任状は手続きの代理を依頼すること】
委任状は手続を任せるということです。
遺産である預金であれば解約の手続きを、遺産である不動産であればその相続登記を叔父さんに任せるというものです。
従って、その解約により得た現金をどうするのか、不動産を誰の名義にするのかという問題は委任とは別個の問題です。
【無前提で委任状を渡すと・・・】
ただ、遺産に関する委任状を渡したとすると、その段階で、委任した内容についても「すべて叔父さんに一任したので、あとは叔父さんの好きなようにして構わない」という意思表示をしたと理解される可能性があります。
しかも本件では印鑑証明書まで渡していたということですので、事態はさらに深刻です。
おそらく叔父さんとしては、《叔父さんの好きなようにして構わないという前提で委任状をもらった》という主張をする可能性が高いですし、これに反論するのはかなり困難な面があります。
【早期に弁護士に相談する】
叔父さんは、現在、預金などを(あなた方からもらった委任状や印鑑証明を使って)解約して現金を手にしているはずです。
叔父さんはそのお金を自分が全部もらったものとして、老人ホームに入る算段をしているようです。
現実に叔父さんが老人ホームに入居してしまえば、現金は返還されない可能性があります。
あなたが叔父さんに全部の遺産をあげるという意思でないというのはなかったというのであれば、早期に弁護士に相談して、対策を講じるべきでしょう。
弁護士と相談する際、引き出した預金の返還を求める訴訟や調停を出すというだけではなく、お父さんの持っているお金を老人ホームに出させないように、預金等の仮差押えをする必要についても相談されるといいでしょう。