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実例Q&A

子供がない夫婦、夫の死後ゆうちょ銀行の手続き【Q&A №591】

2017年12月1日

 

【質問の要旨】

亡き夫の姉妹の居場所が分からない場合、相続手続はどうすればいいか?

【ご質問内容】

相続の手続きが必要とのこと。

亡き夫の生家とは、50年近く勘当同然の状態。

両親は、亡くなっていますが姉3人、妹1人おりますが連絡先もわかりません。

原戸籍は、取り寄せましたが現在の住所等を知る術がありません。

会ったとしても普通に会話できそうにありません。

正直、弁護士さんや司法書士さんへお願いする金銭的余裕もありませんので約5年そのままの状態です。

この先、どうしたら良いのか不安で仕方ありません。

具体的に手続きの術を教えてください。よろしくお願い致します。

(ゆた)

(敬称略で記載しております。ご了解ください)

 

【父が亡くなり、その後に夫がなくなったと理解】

夫の父が先に死亡し、その後に夫が死亡したケースの場合に限り、あなたが夫の父の遺産を相続できます。

今回の回答はその前提で記載しています。

なお、あなたの夫が先に亡くなり、夫の父がその後に亡くなったケースでは、夫との間に子がいないため、あなたは夫の父の遺産を相続できません。

【戸籍の付票を取り寄せする】

今回のご相談は、遺産分割をしようにも、他の相続人の居所も連絡先もわからないため、話し合いすらできないということのようです。

ただ、相続関係を明らかにするために必要な戸籍は取り寄せておられるのであれば、「戸籍の付票」を取り寄せするといいでしょう。

戸籍の付票とは、簡単に言えば戸籍に添付された住所の移り変わりの記録のことであり、出生時から現在までの住所の移り変わりが記載されており、他の相続人などの現在の住所地を把握することができます。

戸籍の付票は戸籍に添付されているため、取り寄せ先は他の相続人のそれぞれの本籍地がある市区町村の役所ということになります。

たとえば戸籍謄本を見て大阪市北区に本籍地があるなら、大阪市の北区役所に戸籍の付票を交付申請することになります。

【取り寄せ手続もそれほど難しくありません】

戸籍付票は住所というプライバシー性の強い情報が記載されているため、本来は直系親族(たとえば申請者の祖父母、父母、子、孫など)を除けば、正当な理由がない限り役所は交付申請に応じません。

ただ、今回の場合、あなたが相続人になることを裏付けとなる戸籍を提出し、その手続きのために必要であると申し出れば、付票を交付してもらえます。

この申請手続は、専門家を要するような難しい手続ではありません。

ただ、戸籍付票でわかるのは住民票がどこにあるのかということであり、そこに住んでいるかどうかまではわかりません。

そのため、まず、手紙等の郵便物を付票上の住所に送付して、連絡をとることになります。
なお、郵便物が返送されてくるような場合には、付票上の住所には住んでいない可能性も高いので、その現地に行かれ、付近の人から居住状況や転居先を聞かれるといいでしょう。

【法テラスなどの利用も検討する】

連絡先が分かればあとはお手紙などで話し合いで遺産分割の話を始めることになります。

普段からおつきあいのない親族との話合いに苦労されるケースも珍しくありませんが、専門家にご依頼されないのであれば自力で行うほかありません。

なお、専門家に依頼する費用がないという場合であれば、弁護士費用を一時的に立て替えてもらい、後日分割で返済する制度(日本司法支援センター 通称「法テラス」)などもあります。

預貯金や収入が一定額以下であることなど申込には条件がありますが、一度ご検討されてはいかがでしょうか。

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