10年位前に亡くなった父が長男に土地・家屋を遺贈し、移転登記も済んでいます(地籍約70坪・商店街の道路に6間面している)。
ところがその土地の後ろ3坪の土地が(間口6間の奥行き0.5間)の別番地の土地が父の名義で残っています。
父の相続人は8人います。
半年くらい前に遺贈を受けた長男が死亡しました。
長男の妻が後ろにある土地を自分の名義にしたい旨の相談をしています。
弁護士から話に応じない者がいるので、遺産分割協議の申し立てをする。
課税評価額の8分の1の支払いで妻の名義にしたいので近日中裁判所から呼び出しがある旨の書類が来ました。
次男は残して置きたいと言い張っています。
他3人も協議で言いなりにはなりそうにありません。
審判で強制的に買い取られる事もあるのでしょうか。
また死んだ長男は特別受益者に当たると思いますが、その妻が小さな土地の遺産分割協議の申請人になれるのでしょうか。
同意するような人には弁護士に一任すると言う用紙と・申述書の様なものに署名して送るように封筒が入っていたそうです。
私の所には入っていません。
ご回答よろしくお願い致します。
【遺贈と遺留分、特別受益の関係】
長男が遺贈によって受け取った額が大きければ、本来は遺留分が侵害されているとして遺留分減殺請求をするべきものです。
ただ、父が死亡して既に約10年が経過しているというのであれば、遺留分減殺請求できる期間を既に経過している可能性が高く、減殺請求はできません。
しかし、遺贈漏れの土地があるようですので、これが遺産分割の対象になります。
あなたとしては、その中で長男には遺贈という特別受益があると主張し、長男には今回の土地について相続分はないと主張するといいでしょう。
【長男の妻の遺産分割協議申し入れについて】
長男は父の相続人です。
そして、長男は特別受益を受け取った地位を有します。
長男が死亡したことによって、長男の妻が長男の有していた地位を引き継ぐことになります。
その結果、長男の妻が対象の土地について遺産分割協議を申し立てて、遺産分割調停をすることができます。
【弁護士からの連絡について】
今回の弁護士からの連絡は、遺産分割協議の提案と考えていいでしょう。
したがって、今回の提案に同意するかどうかはあなたの自由であり、弁護士が言ってきたからといって、同意する必要はありません。
【協議がまとまらないと調停になる】
弁護士から提案があったのですが、全員の同意がとれないようなら、弁護士としては遺産分割調停の申し立てをするでしょう。
ここでは、問題の土地を長男の妻が取得し、その代り代償金を他の相続人に支払うという方向で話が進む可能性があります。
もちろん、特別受益があるので、問題の土地は長男(妻)の取得分はなしとして計算したうえで、代償金額を算定することになるになる可能性もあるでしょう。
【調停がまとまらない場合には審判で・・】
調停がまとまらない場合には、審判で強制的に(というのはあなたが同意しなくとも)、遺産が分割されます。
審判では、土地を現物で分割したり、相続人の全員で共有にする場合もありますが、今回は土地の面積が少ないことや遺贈を受けた土地に隣接していること等を考慮すると、裁判所としては、問題の土地を長男の妻に取得させ、その代わり、その土地分として代償金を他の相続人に支払う、という判断をする可能性が高いと思われます。