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実例Q&A

母から生前贈与を受ける方法【Q&A №687】

2020年8月3日

【質問の要旨】

生前贈与を手伝ってくれる弁護士を探している

 

 

 

 

【回答の要旨】

・生前贈与を受けるには、母の同意が必要

・贈与額によっては、贈与税が発生する

・母に遺言書を書いてもらうという手段もある

 

【ご質問内容】

海外に住んでいます。

2013年に父が亡くなり、母、弟、私の3人で遺産分割協議書

に署名し、一旦母が相続し、そこから少しずつもらえるという形になっていました

が、そろそろ生前贈与したいと考えております。

あいにく海外に住んでいるため、思うように話し合いができません。

お手伝いして下さる弁護士を探しています。

実家の所在地は東京です。

 (みのり)


 ※敬称略とさせていただきます。

 

【生前贈与を受けるには、母の同意が必要】

母から、あなたや弟が生前贈与を受けるには、当然のことながら、母自身があなたや弟に贈与する意思を有している必要があります。

具体的には、母からあなた又は弟への贈与契約書を作成し、その契約書に署名捺印してもらう必要があります(贈与は口頭でも成立しますが、後々のことを考えれば、贈与契約書を作成しておいたほうがよいです)。

そのため、この手続きを弁護士に依頼するのであれば、母と会って話をしてもらえる、東京近辺の弁護士が良いでしょう。

もしも東京の弁護士に心当たりがなければ、東京弁護士会の法律相談などを利用して、弁護士を探すこともできます。

母から生前贈与を受けるにあたって、母や弟とその内容について話し合う必要があるのなら、その交渉についても、あなたに代わって、あなたが依頼した弁護士がすることになります。

 

【贈与額によっては、贈与税が発生する】

ただ、生前贈与をする場合、その贈与額によっては、贈与税が発生します。

贈与税は、贈与を受けた側(あなたや弟)が支払う必要がありますので、生前贈与を受けられるにあたっては、贈与税がいくらかかるのかということも考慮する必要があるでしょう。

なお、1年に110万円までの贈与が非課税となる暦年贈与や、2500万円までを一旦非課税として、将来相続発生時に相続税を支払う「相続時精算課税制度」など、贈与税を減らす手段もあります。

暦年贈与と相続時精算課税制度は併用できず、どちらか一方のみとなりますので、贈与を受ける財産の内容や額によって、どちらの制度を利用すればよいか検討されるとよいでしょう。

贈与税については、詳しくは税理士にご相談ください。

 

【母に遺言書を書いてもらうという手段もある】

上記の通り、生前贈与を行うと多額の贈与税がかかる可能性がありますので、それを避けるため、遺言書によって希望を実現するという方法もあります。

この場合、財産があなたや弟の名義になるのは、母の相続発生時ということにはなりますが、相続税の支払のみで済みますので、贈与税よりは低額となることが多いです。

母の遺言書を作成する場合には、最終的にどの財産を誰に相続させるかを決めるのは母自身ということになりますので、この場合でも、母と直接話をすることができる、東京の弁護士に依頼されるのが良いのではないかと思います。

ただ、この場合、弁護士は、あなたではなく母から依頼を受けて遺言書を作成することになるので、前もってあなたと母(必要であれば弟も)との間である程度話をし、遺言書の内容を固めておく必要があると思います。

(弁護士 岡井 理紗)

 

 

 

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