【質問の要旨】
施設にいる叔母の財産管理をすることはできるか
【質問の内容】
15年ほど前に有料老人ホームに入居し、その後、問題を起こした関係から叔母の財産管理を施設がすることになりました。
同じ系列の施設間移動は3回ほどしているようなのですが、直近の施設に移ってからは、以前の所では請求書が届いていたのですが、現状の施設に移ってからは数回のお願いもしているのですが契約書も見せて頂けていない状況です。
このたび、高齢でもあり重度の肺炎のため、その施設を退所して系列の病院に入院した関係から現状までに出納状況、出来れば私物、資産等の管理を私の方に変更依頼もかけたのですが、たらいまわし状態で何の返事も頂けなく困っております。
対処方法ございますでしょうか?
叔母は現状、意識もはっきりしておりません。
【あなたの立場について】
あなたと叔母さんとは親族という関係にはなりますが、それだけでは、叔母さんの財産に関与できる立場にはなりません。
あなたが叔母さんのことを心配しており、これまでに面倒を見てこられたとしても、法律的には他人であり、叔母さんの財産に関与することができるということにはなりません。
施設から見ればあなたは他人であり、あなたからの要望に対して何らの連絡もしないというのは、法律的には当然であり、その点で施設の対応は間違ってはいません。
むしろ、他人であるあなたに安易に叔母さんの財産内容を明らかにし、あるいは財産を渡したような場合には、施設として責任を問われることも考えられるということになります。
【叔母さんの後見人になると財産調査ができるが・・】
現在、叔母さんが意識もはっきりしていない状況であれば、財産管理も十分にできないでしょう。
このような状態にある叔母さんについては、家庭裁判所に成年後見人の選任申立をすることができます。
成年後見人になれば、叔母さんの財産を管理しますので、施設に契約内容や費用の照会も可能ですし、施設に預けた物件などがあればその引き渡しを求めることも可能です。
ただ、成年後見人になるのは、通常の場合は叔母さんの推定相続人(もし現在叔母さんが死んだ場合に相続人になると法律で定められている人)です。
あなたが推定相続人でない場合には成年後見人になれる可能性は少なく、その場合には、施設でも、また、現在入院中の病院でも、これまでに施設がしたと同様の扱いをされるのはやむを得ないでしょう。
他の人が成年後見人に選任されたというのであれば、事情を話してその後見人から調査をしていただくしかないでしょう。