父親が他界し、相続財産がプラス財産とマイナス財産があります。
プラス財産よりマイナス財産が上回る為相続放棄を考えていますが、配偶者、長男、次男が相続放棄をすると、父の両親、兄弟に相続権が移ると聞きました、父の両親は、亡くなっていますが、兄弟は、四人いて内二人が失踪状態になっています。
上記の状態で相続放棄は、完成できますか また、負債については、金融機関と母が父に貸したのがあります。
金融機関の負債は、無担保です、母が貸した分については、父名義の自宅に抵当権が設定してあります。
上記の内容で父の名義の自宅を競売にかけることは、できますか
【全員の相続放棄は完了しません】
法律上、相続放棄は単独で行うことができます。
恐らく質問者様の質問は「相続手続きが完了するかどうか」、より具体的には「相続に不存在の場合の手続きが完了したかどうか」だと思われます。
そのため、失踪中の相続人の二人がいる場合には、その人が相続放棄をしなければ相続の手続きは完了しません。
なお、民法には法定承認という制度があります。
相続人が、熟慮期間内に限定承認も相続放棄もしなかったときは単純承認したものとみなされます。
【競売をすることは可能です】
兄弟のうち、2名が失踪状態ということですが、まず、この兄弟の住所を探す必要があります。
この2名の人が相続放棄をしない限り、競売はこの2名を相手(父の債務を相続で承継した債務者になる)として手続きをせざるを得ません。
具体的に言えば、兄弟の居場所がわからないのですから、これらの方の特別代理人(不在者財産管理人)を裁判所に選任してもらって、その方に裁判所からの競売開始決定等の書面が送付されるということになります。
なお、この特別代理人の選任のために裁判所に債務者1人当たり10~30万円程度の費用を予納する必要があります。
【手間と費用との兼ね合いになる】
競売手続を行うことも可能ですが、競売手続費用として別途100万円程度を裁判所に納付する必要がありますし、手間もかかります。
このように多額の費用がかかり、手間もかかることから、母が父に貸した金額がどの程度か、又、競売により実際に回収できそうな金額はいくらぐらいかの見込みを立てて、競売申立をするか否かを判断するといいでしょう。