遺産に関して、何通か白紙の用紙に印鑑を押してしまいました。
その結果、遺産分割にまったく加わることができませんでした。
被相続人の死亡から既に6年がたっていますが、私は何か主張できますか?
記載内容 同意していない 無断登記 無断解約 登記名義変更 手続と分割とは別
【質問詳細】
父の遺産を母と子2人で相続しました。
母は遺産がどのくらいあったか教えてくれず、銀行預金がおろせるように何通か白紙の用紙に印鑑を押すように言われ押してしまいました。
遺言書がなく、遺産分割協議もされず、名義変更などに同意していないのに不動産も母名義に書き換えられてしまいました。
不動産の一部はすでに売却されております。
母の善意を信じて少しは分けてくれるだろうと期待していましたが、もう何も残ってないのいってんばりです。
さらに、同居している兄に現在住んでいる家、土地を生前贈与する話があるようです。
相続分を請求したいです。
私(弟)は何もできないのでしょうか?
父が亡くなってすでに6年たちますが、もう遅いでしょうか?
【何に署名・捺印したのか】
あなたは、お母さんの言うがままに白紙の用紙に印鑑を押したため、遺産であるお父さんの銀行預金が下ろされ、また、相続財産である不動産もお母さん名義に移転登記されたという事案です。
遺産である預貯金の払い戻しや相続登記には印鑑証明書が必要ですので、あなたは、お母さんの持ってきた書面に実印を押され、かつ印鑑証明書も渡されたのでしょう。
捺印した用紙が白紙であったということですが、実は登記用の委任状あるいは預貯金を引き出すための相続人代表届であった可能性も高いと思われます。
【遺産分割はまだ終わっていないと主張する】
あなたの基本的な姿勢としては、登記や預貯金を引き出す手続きには協力したが、それは単に手続きに協力しただけであって、お母さんが遺産全部を取得することに同意する意思はなかったという点を主張されるといいでしょう。
お母さんが代表として預貯金を解約し、あるいは相続登記をするという手続の話と、その解約した預貯金や不動産を一人占めするということとは違う話だということを理解しておくといいでしょう。
【これからの対処法】
お父さんの死亡から6年という時間が経過しています。
この6年であなたの権利が消滅するということはありませんが、時間が経過すればするほど、話がしにくくなります。
今なら間に合います。
あなたとしては、今、すぐにお母さんに《遺産分割が終了していないので、私の法定相続分の遺産をください》と申し出るべきでしょう。
ただ、お母さんがすんなりとあなたの言い分を飲むとは思われません。
そうなれば遺産分割調停等の法的な手続きを取る必要がありますし、その可能性も高いと思います。
いずれ、法的な手続きをしなければならない可能性を考えるのであれば、早い段階で、相続に詳しい弁護士に相談されるといいでしょう。
また、あなたがお母さんを相手にしては言いにくいこともあるというのであれば、弁護士に事件を依頼することを考えておくべきでしょう。