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実例Q&A

相続放棄をしたはずが不当利得返還請求をされた【Q&A №648】

2019年5月28日

【質問の要旨】

相続放棄をしたはずが不当利得返還請求をされた

 

【ご質問内容】

遠戚の遺産相続放棄に同意する署名をして2年ほど前に弁護士事務所に送りました。
事情は前妻との間に生まれたAさんが父親の後妻と長年親子として暮らしたものの父親が他界、
後妻が家を相続、
そのあとAさんは長年後妻の義母を実の母としての他界するまでお世話した、
が、彼らが養子縁組してなかったことが判明、
Aさんが義母の遺産相続できないので遺産放棄してほしい、という内容。
そこまでは良かったのですが、このたび訴状が送られてきました。
どうやらAさんも他界したらしく、原告はAさん奥様で、被告はずらずらっと私たち親戚一同の名前が並べられています。
奥様が不当利益変換請求権を取得したとのこと。
弁護士事務所からは、別紙にて私たち遠戚の財産などに強制執行は一切致しません、とあります。
被告扱いされることがなんだか腑に落ちませんし同意した内容とも話が変わっているように思うのですが、よくある手立てなのでしょうか?
つまり、相続問題が帰結せず、このような手段を取ることってよくあることなのですか?
またこのことに関する私どものリスクについて教えていただきたいのですが。

 

(ぽんぽん)

 ※敬称略とさせていただきます。

 

【事案の整理】
今回の質問内容が、やや抽象的でわかりにくいので、以下のように理解して回答しています。
① あなたは、後妻の相続人である。
② Aは先妻の子である。
③ 後妻が、被相続人(後妻の夫)の財産を、例えば預貯金の不正引き出し等で不正に取得したと、Aは主張している。

【事案の想定・・後妻が父の預貯金などを取り込んだと思われる】
Aさんの妻が不当利得返還訴訟をしたようですが、誰が誰から不当利得したのかを考える必要があります。
後妻と先妻の子とは相続で激しく喧嘩をします。
先妻の子が「後妻が金を不正出金した」と言うようなケースがよくあります。
本件もその例だといえば、今回の事案は次のようなものであったという前提で回答します。

父が死亡し、その相続が発生した。
子であるAが遺産を調査したところ、後妻は生前に父に無断で預貯金を引き出していた。
したがって、Aは後妻に対して不当利得返還請求権を有する。
ところが、Aが死亡した。
そのため、Aの有する後妻に対する返還請求権をAの妻が相続した。
ところが、後妻も死亡したので、後妻の負う不当利得返還請求債務をあなたが相続で引き継いだ。

【相続放棄をしたというが、それは本当の相続放棄ではない】
あなたらが後妻の相続で、相続放棄をしたのなら、財産をもらえないけれども、債務も引き継ぐことはありません。
そのため、Aの妻から後妻の債務を支払えという訴訟を起こされても、あなた方は相続放棄を主張すれば、Aの妻の請求は認められません。
ただ、相続放棄は家庭裁判所にその旨の申請をする必要があります。
弁護士に対してしたというのは相続放棄ではないと思われます。
あなた方がした相続放棄とはどのようなものであったのか正確に確認する必要があります。

【強制執行などしないということの意味】
後妻が死んだとき、あなた方は《相続放棄》をしたといわれています。
すると、後妻の相続で誰かが、後妻の遺産をもらった人がいるはずです。
そのような人がおれば、その人が後妻の債務を全部、支払うべきでしょう。
ただ、法律的に言えば、後妻の債務は、あなた方が正式な相続放棄をしていない以上、あなた方は後妻の債務をその法定相続分に応じて支払いする義務があるという結論にならざるを得ません。
おそらく、あなた方の相続放棄で後妻の財産を独り占めにした人が《債務を全部私が負担します》ということを言ったとしても、それはあくまで、相続人間の内部の人間同士の関係であり、債権者としてはそのような相続人間の合意などを無視することができます。

【早期に弁護士に相談することをお勧めします】
今回の質問では、わからない点が多々あります。
ただ、訴訟を提起され、被告になっているのなら、早急に相続に詳しい弁護士に相談され、そのアドバイスを受け、必要なら代理人として訴訟を依頼される必要があるように思われます。

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