相続人の全員の同意がなくとも、遺産である預金の取引履歴調査が可能に!
(平成21年1月22日の最高裁判例について)
【最高裁判例の内容】
1月22日、最高裁は、相続人の一人が遺産の内容を調査するために預金の取引履歴を調査する際には、「他の相続人を合わせた全員の同意」は必要ないという内容の判決を出しました。
これまでは、平成17年5月20日に最高裁は遺産である預金の調査をするには「全員の同意が必要」であるとの判断をしていたので、判断を変更したことになります。
預金の出し入れの内容が教えられませんという金融機関
銀行などの金融機関は被相続人(遺産を残した人)の死亡した時点の預金残高は教えてくれました。しかし、金融機関の中には、預金の入出金の状況(取引履歴)については、相続人全員の同意がない限り、教えないところがありました。
今でも拒否する金融機関がある
このような最高裁判例にもかかわらず、現在でも、全員の同意が必要だとする金融機関がありました。履歴の開示はしなくともよいという判例があるからというのですが、その判例とは(既に変更された)平成17年5月20日に最高裁判例のことでした。
このケースは、新しい判例が出たことを説明して、履歴の開示を取り付けました。
支店が違えば、対応が異なることがある
同じ銀行でも、ある支店では同意が不要としているのに、違う支店では全員の同意が必要だと言われることもあります。
担当者の勉強不足が理由ですが、銀行としては全支店に扱いの変更を知らせるべきものでしょう。
中には高い料金を請求するところもある
最近の傾向としては、銀行が高い料金を請求してくるということです。
ある銀行では1口座1ケ月あたり金200円という、極めて高い料金を請求した例があります。多くの口座を調査する場合には、費用が多額になるという場合があるということを考慮しておく必要があるでしょう。