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【題名】
相続と改名
【ご質問内容】
私には父と母と兄妹がおります。
この方々に私が改名したことを知られたくありません。
分籍や転籍などは行いましたが、相続放棄をするにしても現在の戸籍が必要だと思います。
この方々のうちの誰かが亡くなって私の戸籍が必要になった場合、改名が知られてしまうのでしょうか。
【ニックネーム】
かや
【回答】
1.相続放棄と戸籍の関係
今回、ご質問の父母どちらかが亡くなり、相談者が相続放棄する場合について考えてみます。
相談者は、被相続人(亡くなった方)の子であり、第一順位の相続人です。
そのため、相続放棄の申立書類として、家庭裁判所に以下のような戸籍を提出する必要があります。
・被相続人の除籍
・相続人である相談者の現在の戸籍
この「相談者の現在の戸籍」には、改名前後の氏名の記載がされています。
つまり、申立書類そのものには改名の履歴が含まれています。
2.その戸籍は誰が見るのか
重要なのは、その戸籍を誰が実際に目にするかです。
相談者が相続放棄の申立書類を家庭裁判所に提出しても、裁判所が他の相続人(相談者の父母や兄・妹)にその戸籍を渡すようなことはありません。
したがって、相談者が相続放棄をしたために、直ちに改名が家族に通知されることはありません。
また、相談者以外の第一順位の相続人(相談者の父母・兄・妹)が相続放棄の申立をする場合でも、裁判所に提出するのは、被相続人の除籍とその申立人自身の現在の戸籍のみです。
そのため、この段階でも相談者の改名が知られることはないでしょう。
次に、第一順位の相続人全員が相続放棄をして、第二順位・第三順位(被相続人の両親・兄弟姉妹)の者が相続人になる場合を考えます。
この場合には、第二・第三順位の相続人としては、相続関係を調査するために第一順位である被相続人の子の戸籍を取寄せします。
つまり、被相続人の子である相談者の戸籍が取寄せされますので、この段階で改名が被相続人の両親・兄弟姉妹には知られることになります。
なお、第一順位の相続人(相談者の父母・兄・妹)の誰か一人でも相続放棄をせず、遺産分割協議・相続手続きが必要になった場合には、相続人全員の戸籍の取寄せが必要ですので、家族に相談者の改名が判明することになります。
(弁護士 山本 こずえ)



