![]()


【題名】
確実に相続できるようにする方法
【ご質問内容】
遺言者 父86歳 マンション9割持分
パーキンソン病の診断中、車椅子 耳が遠い。要介護3 まだ、認知症ではないですが、大分、劣ろいてきてます。
母86 歳 マンション1割持分
認知症アルツハイマー(8年目)要介護4 記憶力なし 介護拒否強い
長男57歳 会社員 介護拒否
父が私(次男)に相続させると言っているなら文句はないそうです。
相談者 次男 53歳 無職 親の介護(同居)障害者4級
(マンション所有有り、他人に貸して賃貸収入有り)
・私(次男)老後の生活資金がない。また、今働く暇(介護)がありません。24時間、見守りが必要。
・母、認知症により、介護拒否が強く、簡単に施設に預けられない。
・障害者(膀胱全摘、ストーマ)の為、できる仕事が限られる。
父の遺言書、相続について
2月にかかりつけ医 診断書(遺言能力判定予定)
父は、私に全て(ほぼ、現在住んでるマンションの持分9割、預金なしの都市銀行2)相続させる(遺言書作成予定)と言ってます。
先日、公正役場に行き公正証書遺言の作成をお願いしました。
私(次男)だけが行き、父から全ての財産を私に相続する遺言書の作成をお願いしましたが、わたしだけの話なので信用してもらえない感じで遺産分割協議を勧められました。
父と兄を連れていかないと信じてもらえない感じでした。
かかりつけ医に診断書を作成してもらい自筆遺言書(法務省)を書かせようと思ってます。
父の死後、兄と認知症の母の後見人と、遺産分割協議をするそうですが、遺言書、診断書があっても私だけに相続する遺言は通らないでしょうか?
・母を施設に預けても、母が死ぬまで私がサポートしなければいけません(兄は介護拒否)。
・母の後見人から、不服がでるでしょうか?
・認知症の母や兄に、父の財産を分けないと問題になりますか?
私(次男)も老後の為に、介護を止めて(親を施設に入れて)老後の生活資金を稼ぎたいのですが、父が反対(介護を優先)しています。
父の持分を相続できれば、老後の生活資金になるので安心して、親の介護が続けられます。
介護を続ける為に遺言書は作成しておきたいです。
確実に相続出来るために、今、どうするべきでしょうか?
遺言書を父が書く時に、父から兄に一言伝えれば良いでしょうか?
それでも、母の後見人から不服が出ることがありますか?
兄に少し分けるのは構わないです。
【ニックネーム】
テント
【回答】
1.遺言書は相続人になるあなたではなく、遺言する父の問題です
まず、大事なことは、遺言書は、遺言をするご本人が意思に基づき作成されるものです。
そのため、公証役場としては父さんが来られないと手続きが進められません。
相談者としては、まずは父と一緒に公証役場へ行くことをおすすめします。
なお、もし父が、身体の状況などで公証役場へ行くことが難しければ、公証人に自宅等へ来てもらうことも可能です。
但し、この場合には公証人に、別途出張費用を支払う必要があります。
2.父の意思能力は大丈夫か
本件では、父はまだ認知症ではないとのことですが、念の為、事前に長谷川式認知スケールやMMSEなどの認知症の検査を受けておくといいでしょう。
これらの検査はいずれも30点満点であり、20点以下の場合は認知症の疑いありということになります。
ただし、意思能力が大幅に落ちていても、例えば《あなたに全財産を相続させる》という簡単な内容であれば、有効だとした裁判例もありますので、参考にされるといいでしょう。
なお、自筆の遺言書と比べて、公正証書遺言は後から「本当に本人の意思か」「判断能力があったのか」と争われにくいという大きなメリットがあります。
公証人が遺言者と面談して、意思能力の有無を自ら確認しているのだから、公正証書遺言が無効になることは少ないのです。
しかし、公証人が作成した遺言書でも、裁判で無効になったものもありますのでこの点はご記憶されておくといいでしょう。
3.遺言書の内容については、弁護士に相談されることをお勧めします
遺言書の内容について、注意点があります。
まず、前項に記載したように重度の認知症の可能性がある場合にはできるだけ簡単な内容にするということです。
一方で、将来の紛争を回避するには、他の相続人にも、少なくとも遺留分程度の財産は相続させた方がよいという面もあります。
認知症の程度と内容の複雑さの兼ね合い、その加減がわからないことも多いでしょうから、弁護士と相談し、一番ふさわしい遺言の内容をお聞きになるといいでしょう。
4.他人の成年後見人の不服について
父ノ遺言書作成は、父独自の判断ですることです。
配偶者であっても、他人である母の後見人が介入してくることはありません。
母の後見人は、母の財産の管理等をする役職であり、他人である父の遺言書の作成に文句をいう立場ではありません。
そのため、父の遺言がいかなる内容であっても、母の後見人が異議を述べたり、反対をする権限はありません。
4.もめない遺言書を作るコツを教えます
最後に、紛争防止のための遺言書作成のコツをご教授します。
相談者として最優先で行うべきことは、次の点です。
- 父に意思能力があるかどうかを認知力のテストをして、判断する。
- 父に意思能力があると判断した場合、父に遺言する内容を考えてもらう。
もちろん、相談者がアドバイスをすることは自由ですが、決定は父がすることです。
- なお、遺言書は自筆でも公証役場で作る公正証書遺言でもその法的効力は同じですが、費用がかかっても公正証書遺言をお勧めします。
遺言書に必要な要件をもれなく確認してくれますし、内容についても問題がないかどうかを確認しくれるからです。
加えて、公証人が関与したとなると、その遺言書が無効になる可能性は著しく少なくなります。
作成に費用がかかりますが、万一、遺言書の有効無効で争うことになれば、その際の弁護士 費用ははるかに高いものになることも考えておかれるといいでしょう。
- 最後に、遺言書で将来の兄弟間や親子間の紛争を回避しようと思うなら、一人の人が財産を独占することはぜひ避けてください。
遺留分程度は残すというのが、紛争防止のコツということを覚えておくとよいでしょう。



