1)遺言制度とは
遺言とは、自分が死んだら自宅は長男にあげたい、預金は妻にあげたい・・という意思を尊重し、その人の死後に、その意思どおりの財産の移動等を実現する制度です。
ただし、遺言がその内容どおりの結果を発生させるには、口頭(口でいうだけ)では足りず、法律で定められた一定の方式に従った遺言書という形にしなければなりません(⇒これについては、次回、詳しく述べることにします)
2)遺言は死んでから効力が発生する
今回は遺言の特徴について、説明します。
遺言どおりの結果が実現するのは、遺言者が亡くなってからです。
例えば、お父さんが亡くなる前に、(長男が遺言でもらえるはずの)土地が他人に不法占拠された場合にも、長男からはその不法占拠者に「出て行ってくれ」と言うことはできません。又、長男の債権者としても、遺言書でもらえるはずの財産を差押することはできません。
3)遺言はいつでも撤回することができる
遺言は、いつでも撤回することができます。
そのため、お父さんが長男に土地をあげるという遺言書を作ったとしても、その後、気が変わって、次男にあげたいと考えるようになると、お父さんは、前の遺言書を撤回して、次男に土地をあげるという内容の遺言書を作成することができます。
4)遺言を代理で作ることはできない
遺言は、遺言者自身の意思を尊重する制度です。
遺言は本人以外の人が代理して作ることはできません。
それが、たとえどんなに信頼できる人であっても、代理は認められません。