【質問の要旨】
【質問の要旨】
・母方の祖母が他界、その後母も他界
・遺産は、母の兄1/2、父1/4、相談者と弟が1/8
①なぜ血縁関係のない父にも相続されるのか
②また、孫よりも取り分が多いのはなぜか
【回答の要旨】
・相談者の父は、祖母の相続人にはならないが、母の相続人として、母の取得した祖母の財産2分の1を取得することになる
・母の相続について相続分は、父が2分の1、相談者と相談者の弟が4分の1ずつ、祖母の2分の1の財産について、前記割合で計算すると、父が4分の1、相談者と相談者の弟が8分の1ずつ取得する
母方の祖母が他界し、その一年後母が他界しました。
遺産は祖母の家(土地)なのですが、祖母の家には現在母の兄が住んでいます。
遺産は母の兄に1/2、父に1/4、私と弟に1/8ずつだそうです。血縁関係のない父にも相続されるのですか?孫の私たちよりも取り分が多いのはなぜですか?
【ニックネーム】
み
【回答】
第1 相談者の父は、母の相続を通じて祖母の財産を相続します
今回の相談では、祖母の相続分について、なぜ血縁関係のない相談者父の方が孫である相談者よりも多いのか問題となっています。
この問題のポイントは①祖母と母の相続を分けて考える必要があること②母の相続財産の中には、母自身の財産の他、祖母の相続分が入っていることです。
1 祖母の相続
まず、祖母の相続を考えていきます。
祖母の相続についての相続人は、相談者の母と母の兄の2人です。
この場合の相続分は、母と母の兄がそれぞれ2分の1ずつということになります。
相談者の父は、祖母の相続人にはなりません。
ただ、母の相続人として、母の取得した祖母の財産を取得することになります。
2 母の相続
次に、母の相続について考えます。
母の相続では、母の独自の遺産と母の相続した前記2分の1の祖母の財産の合計相続財産になります。
母の相続について、相続人は、父、相談者、相談者の弟です。
母の相続について相続分は、父が2分の1、相談者と相談者の弟が4分の1ずつになります。
祖母からきた分(2分の1の財産)について、前記割合で計算すると、父が4分の1、相談者と相談者の弟が8分の1ずつ取得するということになります。
以上のように、父の相続分が相談者よりも多いのは、母の相続財産の中に祖母の相続財産が含まれており、これが母の相続の際に父へ2分の1相続されるためです。
第2 遺産分割について
今回の相談では、祖母の相続と母の相続が発生しているので、二つの相続について遺産分割の話し合いが必要です。
祖母の相続について、法定相続分で分けるのであれば、相談内容に記載のとおり、母の兄2分の1、父4分の1、相談者及び相談者弟8分の1ずつの割合で分けることになります。
母の相続については、母の相続した祖母の相続分以外の遺産についても、分ける必要があり、法定相続分で分けるのであれば、父2分の1、相談者及び相談者弟4分の1ずつの割合で分けることになります。
(弁護士 山本こずえ)