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実例Q&A

固定資産税の支払いを避けるために相続放棄が必要か【Q&A No.743】

2022年1月28日

【質問の要旨】

・祖父がなくなり、住まいは父が相続する

・現在誰も住んでおらず、今後も住む予定はない

・父は相続放棄しておらず、固定資産税を払い続けている

・相談者は結婚して別姓になっている

・兄がいる

 

①父が亡くなった際、相談者が相続放棄の手続を行わないと、固定資産税を支払うようになってしまうのか

②兄も相続放棄が必要か

 

 

 

 

【回答の要旨】

相談者が相続放棄をしない場合、固定資産税の支払いをする必要がある

・相談者も兄も不動産を相続したくないのであれば、2人とも相続放棄が必要となる

・相続放棄については、債務がある、あるいは費用が掛かるというだけで判断するのではなく、

遺産全体の資産と債務や費用を考慮に入れて、どうするかを判断するというのが原則

 

【題名】

相続放棄に関して

【ご質問内容】

お世話になります。

相続の件でお聞きします。

祖父が亡くなり、祖父の住まいは父親が相続する形になりました。現在は、誰も住んでおりませんし、住む予定もありません。

父親は相続放棄していなかったため固定資産税を払い続けております。そこで質問がございます。

父親が亡くなった際、私は相続放棄の手続きを行わないと、父親同様に固定資産税(祖父の不動産)を支払らうようになってしまうのでしょうか。

私は結婚しており、別姓となっております。

尚、兄もおります。(兄も相続放棄が必要なのでしょうか)お手数をお掛けいたしますが、回答をよろしくお願いいたします。

(クボ)


 ※敬称略とさせていただきます。

 

【回答】

第1 相談者が相続放棄をしない場合、固定資産税の支払いをする必要がある

まず、現在は誰も住んでいないという祖父の不動産については、相談者の父が相続をしているので、父所有の不動産となっていると考えられます。

その場合、父が亡くなった際は、上記不動産は、父の相続財産となります。

父の相続人が、相談者と相談者兄の2人であるのであれば、この2人が法定相続人ということになります。

そうすると、仮に相談者と相談者兄が遺産分割をせずに、そのまま法定相続分で相続した場合は、2人が2分の1ずつ共有持分を持つことになるので、2人とも固定資産税の支払いが必要になります。

一方、父が亡くなった際に遺産分割協議をして、どちらか一方(たとえば兄)が上記不動産を相続することになった場合は、他方は不動産の所有者とはならないので、固定資産税の支払いは不要ということになります。

 

第2 相談者も兄も不動産を相続したくないのであれば、2人とも相続放棄が必要となる

仮に、相談者も兄も不動産を相続したくないのであれば、父が亡くなった際は2人とも相続放棄をすることが必要です。

ただ、父の生存中に、父が不動産を売却・解体するなど処分をした場合、相続財産とはならないので、相続放棄をする必要もなくなります。

 

第3 相続放棄をする際に次の点を考える

不動産の固定資産税が問題になっていますが、その不動産は売却できないのでしょうか。

もし、売却できるのであれば、その売却価額や売却までにかかると想定される時間を考え、放棄をするかどうかを検討されるといいでしょう。

また、不動産以外に、プラスの財産(たとえば預貯金や株式等)があるのであれば、相続放棄をせず、相続をするという方向も考えてもいいでしょう。

相続放棄については、債務がある、あるいは費用が掛かるというだけで判断するのではなく、遺産全体の資産と債務や費用を考慮に入れて、どうするかを判断するというのが原則だとお考え下さい。

 

(弁護士 大澤龍司)

(弁護士 山本こずえ)

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