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実例Q&A

相続したリゾート会員権を処分・放棄する方法【Q&A №693】

2020年9月9日

【質問の要旨】

・共有持ち分を有する会員が死去し、相続することになった

・年会費・固定資産税の支払いを回避したいが、転売にも費用が発生する

・会員権の放棄または処分の方法はあるか?

 

 

 

【回答の要旨】

・業者に売る場合は、多額の処分費用がかかる。

・共有持分放棄をするとしても登記ができるかなどの問題がある。

・運営会社に無償でもいいから譲渡する方法も考えられる。

・将来、多数の会員で、運営者側に買い取り交渉する方法もあり得る。

【ご質問内容】

今年7月、メルヴェール有馬の共有持分を有する会員であった死去に伴い、同会員権を相続せざるを得ない状況となっております。

施設利用機会もないため、年会費・固定資産税の支払いを回避したいのですが、転売にも多額の費用が発生すると聞いております。

会員権の放棄または処分の方法はないものなのでしょうか。

 (kotani)


 ※敬称略とさせていただきます。

 

【相続放棄はできないが、リゾートホテル会員権だけは何とかしたいが・・・】

バブル時代にリゾートホテル会員権を購入することが流行したことがあります。

ただ、利用しなくとも毎年会費を支払う必要があります。

又、土地やホテル建物の共有持分を持っていることから固定資産税も支払いが必要になります。

そのため、利用しなくても会費や税がかかるので、会員権をなんとか放棄できないかという質問です。

借金は多くて相続放棄するのなら、会員権も当然、引き継ぎません。

しかし、他に多くの財産があるのなら、相続放棄はできません。

なんとか、マイナスの財産(これも負動産です!)である会員権だけもなんとかできないかという悩ましい問題です。

共有持分放棄なども考えられますが、果たして実現可能性があるかどうかを検討し、併せて他の方法がないかどうかも検討します。

【業者に売る場合は、多額の処分費用がかかる】

ゴルフ会員権などは業者の売ることは可能です。

この種の会員権であれば買いたいという人がたくさんいるからです。

しかし、リゾートホテルの会員権については、買いたいという人はほとんどいません。

今回、問題になっているホテル会員権について、購入希望者はほとんどないような状態と思われます。

そのため、買い手がない会員権には値段はつかず、業者もあえて譲渡するというなら多額の処分費用を出してもらうということで対応しているというのが現状です。

【共有持分放棄をするとしても登記ができるかなどの問題がある】

リゾート会員権は、簡単に言えば、ホテル施設などの不動産とホテルの管理運営契約が合体したものです。

そのうち、不動産については、多くの場合、ホテル運営会社と多数の会員の共有の形になっています。

そのため、共有持分を放棄することも考えられます。

しかし、放棄したことを明らかにするためには登記が必要です。

登記がないと、税を徴収する自治体に放棄を主張できず、固定資産税を払い続けるしかありません。

しかし、いざ登記をするためには、他の会員に登記のための委任状をいただく必要がありますし、それをくれない人には訴訟を提起する必要があります。

何十人、あるいは何百人を超すかもしれない他の会員にこのような手続きをするのは費用や手間の面から見て、事実上、不可能でしょう。

なお、仮に、持分放棄の登記ができたとしても、運営会社との契約の解約がスムーズにいくかどうかも問題があり、管理契約や規約なども検討しておく必要があるでしょう。

【運営会社に無償でもいいから譲渡する方法も考えられる】

リゾートホテルを運営する会社に買い取ってもらう方法も考えられます。

しかし、運営会社とすれば、会員の皆様は、毎年会費を払っていただく収入源です。

又、施設の経費である固定資産税を支払ってくれる経費負担者でもあります。

加えて、ホテル施設を利用してくれるかもしれない潜在的利用者です。

そのため、経営面から考えても、会員権を買い取ることによる不利益をあえて運営会社が選択することは考えにくいです。

ホテル会員権が飛ぶように売れた時代なら、一旦、運営会社が譲り受けて新たに販売をすると言う選択肢がありましたが、現状ではおよそそれも無理という結論になりそうです。

【どうすればよいのか?】

マンションの1部屋をもっているのなら、低価額でいいのなら、まだ買い取りたいという人もいるでしょう。

しかし、リゾートホテルの会員権については、ただでも欲しくないというのが実情でしょう。

もし、リゾートホテルに利用価値があるのであれば、今後、ホテルの大改築など運営会社として会員の同意をとらなければならない問題が将来、発生するときがあるかもしれません。

その時に、できれば多数の会員が《(古い言葉ですが)団結して》、運営者側に買い取り交渉をするしかないというのが実情だと思います。

(弁護士 大澤龍司)

 

 

 

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