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実例Q&A

相続で取得した土地について根抵当権の抹消【Q&A No.747】

2022年2月18日

【質問の要旨】

・10数年前に父が亡くなり、相談者が相続により土地を取得し、登記もした

・しかし、相談者が取得した土地には根抵当権が設定されており、抹消されていない

・銀行からの借入は弁済済み

①今後どのような手続きを行えばいいか

②根抵当権ではなく、抵当権として今後銀行と取引可能か

 

 

 

 

【回答の要旨】

・債務者が父なのであれば、銀行と連絡を取り、根抵当権の抹消登記をするよう伝えるとよい。

・債務者が父ではない場合、銀行に元本確定請求をする。

・請求後2周間が経過した時点で残りの債務額について問い合わせをし、残債務があるのであれば、弁済した上で根抵当権の抹消登記手続を行うとよい。

【題名】

根抵当権について

【ご質問内容】

自営業を営んでいた父が亡くなり10数年が経ちました。遺産分割にて、私が相続人となり土地の所有者変更を行いましたが、改めて 相続関係を見直した際 根抵当権がついた土地の所有者変更は行ったのですが、根抵当権については亡くなった父のままでした。

銀行から借りた金額は支払い済です。

今後、どのような手続きを行なえば良いのでしょうか?

また、根抵当権でなく、今後抵当権として銀行と取引きは可能でしょうか?

宜しくお願い致します

(SKY)


 ※敬称略とさせていただきます。

 

【回答】

第1 根抵当権設定者が父で、債務者も父の場合

今回の相談では、10数年前の父の相続の際、相談者が遺産分割協議により相続財産である土地(根抵当権付き)について所有権を取得し、土地所有権の登記名義も相談者に変更したところ、根抵当権については父名義のままであるという事案です。

仮に、根抵当権設定者が父であり、債務者も父であるという場合、債務者の相続についての民法上の規定が適用されます。(民法398条の8第2項及び4項)

その場合、父の相続が発生すると、根抵当権について元本確定前であっても、指定相続人の合意の登記がない限り、相続開始の時に元本が確定したものとみなされます。

元本が確定している場合、根抵当権は抵当権と同様の扱いとなります。

今回の相談では、父の相続から十数年経っているので、元本は確定していると考えてよいでしょう。

また、相談者は銀行から借りた金額は支払い済みであるとのことであり、すでに被担保債権が消滅している可能性が高いです。

さらに、被担保債権について、最後の弁済から10年以上経っているということであれば、消滅時効が完成している可能性もあります。

すでに被担保債権が消滅している場合、根抵当権も消滅していることになるので、根抵当権の抹消登記をする必要があります。

相談者としては、根抵当権者(おそらく銀行)に連絡をとり、被担保債権が弁済により消滅しているかどうか確認した上で、消滅しているのであれば根抵当権の抹消登記をするよう伝えるとよいでしょう。

もし抹消登記をするという場合は、金融機関の方で抹消登記に必要な書類を送ってくれるでしょう。

 

第2 根抵当権設定者が父であるが、債務者は父ではない場合

仮に、根抵当権を設定したのは父であるが、父以外の第三者の債務について担保したものである場合、前述の民法の規定の適用はありません。

このような場合、第三者である債務者について相続が発生しているか、その他民法上の元本確定事由(たとえば、根抵当権者による競売・差押え等。民法398上の20参照)が生じているのであれば、元本が確定していると考えられます。

また、根抵当権について元本確定期日の定めがない場合、根抵当権の設定時から3年が経過していれば、根抵当権設定者が元本確定の請求をすることができます。

今回の相談では、相続から十数年経過しているので、根抵当権設定から3年以上経過していることは明らかです。

そのため、元本確定日について定めがない根抵当権であれば、相談者を含む相続人が元本確定請求を根抵当権者に対してすることで、元本が確定すると考えられます。

前記請求後、2週間が経過することで元本が確定することになります。

相談者としては、金融機関に対し、元本確定請求後、2周間が経過した時点で残りの債務額について問い合わせをし、残債務があるのであれば、弁済した上で根抵当権の抹消登記手続を行うとよいでしょう。

(弁護士 山本こずえ)

 

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